中道(仏教)
ちゅうどう
仏教の実践についての基本的な考えで、対立または矛盾しあう両極端の立場を離れ、両極端のどれにも偏らない中正な立場を貫くこと。仏陀(ぶっだ)は苦行と快楽を離れた中正な方法(苦楽中道)によって悟りに到達し、それを具体化するために八正道(はっしょうどう)を説いた。大乗仏教ではこの考えがさらに深められ、有(う)・無(む)、生(しょう)・滅(めつ)などに代表されるような日常的な観念やことばを超えたところに究極的な真理があり、それに達するために「すべてのものは空(くう)である」とみることが中道であるとされる。
[江島惠教]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例