デジタル大辞泉 「造」の意味・読み・例文・類語
ぞう【造】[漢字項目]
[学習漢字]5年
1 物をこしらえる。つくる。「造営・造花・造船・造本/改造・偽造・急造・建造・構造・醸造・人造・製造・創造・鋳造・
2 なす。行う。「造反」
3 ある所まで行きつく。至る。「
4 急であわただしい。「造次」
[名のり]いたる・なり
[難読]
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
古代の姓(かばね)の一つ。語源については「御臣(ミヤツコ)」説、朝鮮語の貴人の敬称説などがある。造姓氏族は190余を数え、天神、帰化人の後裔(こうえい)と称するものが多い。部民(べみん)を率いて大和(やまと)朝廷の職務を分担する中級の伴造(とものみやつこ)に与えられた姓であるが、賜姓の時期は連(むらじ)よりやや遅く、部民制の盛行した6世紀ごろであった。684年(天武天皇13)八色(やくさ)の姓の制定に際し、刑部造(おさかべのみやつこ)と忍海造(おしぬみのみやつこ)が第三位の宿禰(すくね)を、秦造(はたのみやつこ)が第四位の忌寸(いみき)を賜姓されたにとどまり、ほかは造姓のままにとどめおかれた。
[前之園亮一]
『太田亮著『全訂 日本上代社会組織の研究』(1955・邦光書房)』▽『阿部武彦著『氏姓』(1966・至文堂)』
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
古代のカバネ。「御奴」あるいは「宮つ子」の意とされる。「造」の字は,新羅(しらぎ)の第17等官位である造位からきているとする説もある。造姓を称する氏族は多く,ほとんどが伴造(とものみやつこ)氏族であるが,出自は皇別・神別・諸蕃と一定しない。これらの氏族は,5世紀末葉~6世紀におかれた新しい型の品部(しなべ)を管掌する伴造であり,より古い型の品部を管掌する連(むらじ)姓氏族よりも概して地位は低かった。造姓氏族のうち有力なものは683年(天武12)以降連姓を賜ったが,684年に制定された八色の姓(やくさのかばね)に造姓はなく,このとき10氏が第4等の忌寸(いみき)姓を賜った。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報
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[政治制度としての氏姓制度]
このような制度は,原始共同体において,氏族や部族が社会の単位となった,いわゆる氏族制度とは異なる。もちろん,氏姓制度の基盤も,血縁集団としての同族にあったが,それが国家の政治制度として編成しなおされ,同族のなかの特定のものが,臣(おみ),連(むらじ),伴造(とものみやつこ),国造(くにのみやつこ),それに百八十部(ももあまりやそのとも)などの地位をあたえられ,それに応ずる氏姓を賜ったところに特色がある。その成立時期は,おそらく5,6世紀をさかのぼらないであろう。…
…〈ばんぞう〉ともいう。伴(とも)は〈友〉であると同時に〈供〉をも意味し,朝廷を代表する大王に奉仕・従属する集団を指すことばで,造はそのかしらの意。日本では,7世紀後半に律令制による国家が成立したが,それに先立つ5~6世紀を中心とした時代は,諸氏族に朝廷の職務を分担させる体制で運営された(氏姓制度)。…
※「造」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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