余寒(読み)ヨカン

デジタル大辞泉 「余寒」の意味・読み・例文・類語

よ‐かん【余寒】

立春後の寒さ。寒が明けてもなお残る寒さ。残寒。「余寒厳しき折から」 春》鎌倉を驚かしたる―あり/虚子
[類語]春寒花冷え梅雨寒寒い肌寒い薄ら寒い寒寒深深凜凜冷え込むうそ寒い寒さ寒気寒波厳寒酷寒極寒春寒はるさむ寒の戻り冴え返る夜寒寒冷冷える底冷え梅雨冷え

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精選版 日本国語大辞典 「余寒」の意味・読み・例文・類語

よ‐かん【余寒】

  1. 〘 名詞 〙 立春後の寒さ。寒があけてもまだ続く寒さ。残寒。《 季語・春 》
    1. [初出の実例]「驚春柳雖変、余寒在単躬」(出典懐風藻(751)初春在竹渓山寺於長王宅宴追致辞〈釈道慈〉)
    2. 「きさらぎやよひの程は風はげしく、余寒(ヨカン)もいまだつきせず」(出典:高野本平家(13C前)灌頂)
    3. [その他の文献]〔陸游‐三月廿一日作詩〕

よ‐さむ【余寒】

  1. 〘 名詞 〙 寒さが残っていること。大寒が過ぎたり、立春が過ぎたりしたのに、まだ残っている寒さ。また、その時節。よかん。
    1. [初出の実例]「老婆に話すうち老婆は茶を入れ餠など焼て出すは二月末の余寒(ヨサム)のころなり」(出典:春雨文庫(1876‐82)〈松村春輔〉一)

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普及版 字通 「余寒」の読み・字形・画数・意味

【余寒】よかん

立春後の寒さ。残寒。唐・杜甫〔張氏の隠居に題す、二首、一〕詩 、餘、冰(ひようせつ)を(へ) 石門斜日、林邱に到る

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「余寒」の意味・わかりやすい解説

余寒
よかん

暦のうえの二十四節気一つの大寒が明けて以後、すなわち2月4日ごろの立春以後の寒さをいう。俳諧(はいかい)での「春寒し」というのとおよそ同じである。日差しは日ごとに強くなっていくのに、暖かさがこれに伴いかねるような寒さである。

根本順吉

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