普及版 字通 「児(漢字)」の読み・字形・画数・意味
児
常用漢字 7画
(旧字)兒
人名用漢字 8画
(異体字)
8画
[字訓] こ・みどりご・こども
[説文解字]
[甲骨文]
[金文]
[字形] 象形
幼児の髪形を加えた形。〔説文〕八下に「孺子(じゅし)なり。儿(じん)に從ふ。小兒の頭の(しん)未だ合はざるに象る」とする。は頭骨の縫合部の象形。その縫合部がまだ堅まらない形とするが、金文の字形によれば、「みづら」のような、左右に結んだ髪形を示す字である。〔礼記、内則〕に、生まれて三月後に、日を択んで男角(あげまき)・女羈(じょき)(たてよこ結び)をすることをしるしている。
[訓義]
1. こ、みどりご、ちのみご、こども。
2. 男の子、女は嬰(えい)という。
3. 子が親に対していう。
4. こども扱いして、侮っていう。
5. 倪と通じ、かよわい。
6. 名詞にそえていう助詞。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕兒 コ・チゴ 〔字鏡集〕兒 ワラハベ・チゴ・コワラバ
[声系]
〔説文〕に兒声として鬩・睨・倪・霓・・など十七字を収めるが、みな(げい)声。声の兒は児童の兒と別の字で、霓・の初文。虹(にじ)は古くは両頭の竜が雲霧に乗じてあらわれるものとされ、兒はその竜頭の形。虹の両端に兒形の頭があり、卜文にをその形にしるしている。両端にあって相睥睨(へいげい)するので、鬩(げき)のような字が生まれる。
[語系]
兒njieは霓・ngyeと声近く畳韻であるため、のち混じて一となったのであろう。魚子をnjiといい、鹿の子をnjioというのが、兒の系列の語である。
[熟語]
児嬰▶・児家▶・児▶・児嬉▶・児戯▶・児客▶・児歯▶・児女▶・児妾▶・児曹▶・児息▶・児▶・児孫▶・児▶・児店▶・児童▶・児輩▶・児夫▶・児婦▶・児郎▶
[下接語]
愛児・遺児・育児・嬰児・鶯児・佳児・歌児・雅児・瞎児・黠児・奇児・棄児・義児・乞児・客児・嬌児・驕児・群児・乾児・健児・虎児・孤児・好児・侍児・女児・小児・孫児・胎児・大児・男児・痴児・稚児・髫児・児・豚児・乳児・巫児・幼児・緑児・麟児
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報