(読み)ジ

デジタル大辞泉 「児」の意味・読み・例文・類語

じ【児〔兒〕】[漢字項目]

[音](漢) (呉) [訓]こ ちご
学習漢字]4年
〈ジ〉
子供。幼い子。わらべ。「児戯児童育児孤児胎児乳児幼児
(親に対して)子。「児孫豚児
若者男子。「健児けんじ寵児ちょうじ風雲児
〈ニ〉幼い子。「小児
[名のり]のり・はじめ・る
難読金雀児エニシダ加答児カタル健児こんでい掏児すり稚児ちご・ややこ

じ【児】

[名]
子供。「一をもうける」
男子。
「自然の―になろうか、又意志の人になろうか」〈漱石それから
[代]一人称人代名詞。親などに対して子が自分のことをさすのに用いる。
「―は不幸にしていまだ良師を得ません」〈鴎外魚玄機

やや【児/稚】

あかご。赤ん坊。ややこ。

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精選版 日本国語大辞典 「児」の意味・読み・例文・類語

じ【児】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙
    1. 子どもの意。現代では多く、ある人の子どもの数をいうときに用いる。「二児の母」
      1. [初出の実例]「Ii(ジ)。チゴ」(出典日葡辞書(1603‐04))
      2. [その他の文献]〔史記‐孔子世家〕
    2. ( 「…の児」の形で ) そういうことをする運命をもって生まれてきた者、すっかりその状態にひたりきっている者の意。男にいう。
      1. [初出の実例]「爾(なんぢ)は終(つひ)苦悩の児(ジ)なり」(出典:悪魔(1903)〈国木田独歩〉八)
  2. [ 2 ] 〘 代名詞詞 〙 自称。親などに対して子どもが自分のことを呼ぶのに用いる。
    1. [初出の実例]「阿爺の言誠に信たらば児能く眠るべし」(出典:花柳春話(1878‐79)〈織田純一郎訳〉一)

やや【児・稚】

  1. 〘 名詞 〙ややこ(稚児)」の略。
    1. [初出の実例]「従一晏法印内儀御姪の御ややさま小煩付、祈祷事宗斎使にて申来了」(出典:多聞院日記‐文祿三年(1594)正月二〇日)

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普及版 字通 「児」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 7画

(旧字)兒
人名用漢字 8画

(異体字)
8画

[字音]
[字訓] こ・みどりご・こども

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 象形
幼児の髪形を加えた形。〔説文〕八下に「孺子(じゅし)なり。儿(じん)に從ふ。小兒の頭の(しん)未だ合はざるに象る」とする。頭骨の縫合部の象形。その縫合部がまだ堅まらない形とするが、金文字形によれば、「みづら」のような、左右に結んだ髪形を示す字である。〔礼記、内則〕に、生まれて三月後に、日を択んで男角(あげまき)・女羈(じょき)(たてよこ結び)をすることをしるしている。

[訓義]
1. こ、みどりご、ちのみご、こども。
2. 男の子、女は嬰(えい)という。
3. 子が親に対していう。
4. こども扱いして、侮っていう。
5. 倪と通じ、かよわい。
6. 名詞にそえていう助詞

[古辞書の訓]
名義抄〕兒 コ・チゴ 〔字鏡集〕兒 ワラハベ・チゴ・コワラバ

[声系]
〔説文〕に兒声として鬩・睨・倪・霓・など十七字を収めるが、みな(げい)声。声の兒は児童の兒と別の字で、霓・の初文。虹(にじ)は古くは両頭の竜が雲霧に乗じてあらわれるものとされ、兒はその竜頭の形。虹の両端に兒形の頭があり、卜文にをその形にしるしている。両端にあって相睥睨(へいげい)するので、鬩(げき)のような字が生まれる。

[語系]
兒njieは霓・ngyeと声近く畳韻であるため、のち混じて一となったのであろう。魚子をnjiといい、鹿の子njioというのが、兒の系列の語である。

[熟語]
児嬰・児家・児・児嬉・児戯・児客・児歯・児女・児妾・児曹・児息・児・児孫・児・児店・児童・児輩・児夫・児婦・児郎
[下接語]
愛児・遺児・育児・嬰児・鶯児・佳児・歌児・雅児・瞎児・黠児・奇児・棄児・義児・乞児・客児・嬌児・驕児・群児・乾児・健児・虎児・孤児・好児・侍児・女児・小児・孫児・胎児・大児・男児・痴児・稚児・髫児・児・豚児・乳児・巫児・幼児・緑児・麟児

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