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こう

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説


こう

父母を敬い,よく仕えること。儒教では弟 (弟の兄に対する道徳) と並んで,基本的徳目として重視された。これは古代中国では家族共同体が社会の基盤をなしていたことの反映である。日本の伝統社会の基盤は村落共同体であるが,それは著しく感情融合的な共同体であり,また家の共同体と密接にからみ合っていたので,孝を主要徳とする考え方は抵抗なく受入れられた。

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デジタル大辞泉の解説

きょう〔ケウ〕【孝】

孝行。
「―の心いみじくあはれなれど」〈浜松・三〉
親の追善供養。また、親の喪に服すること。
「三年の―送る」〈宇津保・俊蔭〉

こう〔カウ〕【孝】

親を大切にすること。孝行すること。「両親にを尽くす」

こう【孝】[漢字項目]

[音]コウ(カウ)(漢) キョウ(ケウ)(呉)
学習漢字]6年
親によく仕えること。「孝行孝子孝心孝悌(こうてい)孝養至孝忠孝不孝
孝行者。「二十四孝
[名のり]あつ・あつし・たか・たかし・なり・のり・みち・もと・ゆき・よし

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世界大百科事典 第2版の解説

こう【孝 xiào】

旧中国社会におけるもっとも基本的な道徳。《説文解字》の説明によれば,〈孝〉の意味は〈善(よ)く父母に事(つか)える〉こと,その文字構造は老の省略体と子の組合せから成り,子が老人を助けささえることを表す会意文字。つまり,子の父母に対する敬愛を基礎として成立する道徳であるが,それをやや拡大しては祖先崇拝,とくに祖先の祭祀をふくみ,さらにいっそう拡大しては老人尊重の思想にまで発展する。礼のなかでも喪服(そうふく)の問題がとくにやかましくいわれ,郷党の指導者が〈父老〉の名でよばれ,天子が天下に孝の徳を教えるべく有徳の老人を〈三老・五更〉に選んで養老の礼を行い,夷狄の老人賤視の習俗が非文明とみなされたことなど,すべて広義の〈孝〉によって説明がつく。

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大辞林 第三版の解説

きょう【孝】

〔呉音〕
親によく仕えること。 「あはれなるもの、-ある人の子/枕草子 119
親の喪に服すこと。また、追善供養。 「親の-よりけにやつれ給へり/源氏 柏木

こう【孝】

両親を敬い、子としての道を尽くすこと。孝行。 「親に-を尽くす」
[句項目]

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説


こう

子の親に対する道徳。孝行。親を敬愛することを基本とするが、中国においては、その社会を支える根本的規範として独特の内容をもつものであった。19世紀以前の中国では、祖先崇拝の観念のもとに、血族が同居連帯し家計をともにする家父長制家族が社会の構成単位をなし、この家族の構成員たちは、親に絶対服従すること、祖先の祭祀(さいし)に奉仕することを孝として義務づけられた。この孝が、家族を超えた社会国家の規範より優先すると考えられたことも旧中国の特質である。孔子(こうし)(孔丘)が、親を敬し、親の心を安んじ、礼に従って奉養祭祀すべきことを説き、社会的犯罪については「父は子の為(ため)に隠し、子は父の為に隠す」(『論語』子路篇(しろへん))と述べた孝は、やがて『孝経(こうきょう)』において、道徳の根源、宇宙の原理として形而上(けいじじょう)化され、絶対服従と父子相隠は法律にも明文化された。仏典を漢訳した仏教徒は、原典にその語のない孝を多数付加挿入して中国社会への適応を図り、キリスト教徒は、布教の最大の障害として孝道の存在をあげた。
 わが国の「家」には、古く、共同体の指揮者としての「おや」「おやかた」とその一員としての「こ」「やつこ」という関係のごとく、非血縁者をも含む構造があり、そこでの規範は忠(まこと)であった。和訓のない「こう」として受け入れられた孝は、この忠の観念に吸収されやすく、一般に人や物事をたいせつにすることまでも孝とよぶ用例がみえる。[廣常人世]
『「支那の孝道 殊に法律上より観たる支那の孝道」(『桑原隲蔵全集 第3巻』所収・1968・岩波書店) ▽尾藤正英編『中国文化叢書10 日本文化と中国』(1968・大修館書店) ▽林秀一著『孝経』(1979・明徳出版社・中国古典新書)』

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世界大百科事典内のの言及

【孝経】より

…《論語》とならんで五経につぐ地位があたえられた。孔子と曾子の対話の形式にかりて,天子から庶人にいたるまでの各階層それぞれの〈孝〉のありかたが説かれ,また〈孝〉の徳が〈天の経,地の義,民の行〉と天地人の三才をつらぬく原理として形而上化されている。〈孝〉は儒教倫理の中心であり,かつ《孝経》は短編でしかも《詩経》の引用を多くふくんでいて暗誦にたやすかったから,知識人家庭では《論語》とともに《孝経》を幼童の教育に用いた。…

【忠】より

…忠という文字は,まごころ,まことを意味し,まごころをもって相手を思いやることをさしていたが,儒教が成立した時代の中国で,君臣の関係を説く際に忠が強調されたために,臣が君に仕える道を忠といい,親子の間の孝と並べて人間関係の基本とされるようになった。中国の文化を受容して形をととのえた日本の古代社会では,当然,忠の道徳が教えられ,臣は忠をもって君に仕え,君は国を憂えて世を治めるべきものと説かれた。…

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