デジタル大辞泉 「宜しい」の意味・読み・例文・類語
よろし・い【▽宜しい】
1 《「よい」の丁寧な言い方》
㋐能力や質がすぐれているさま。程度が高い。「仕上がりはこちらが―・い」「御子息は頭が―・い」
㋑健全だ。健康だ。「気分はあまり―・くない」
㋒地位や身分が高い。また、裕福だ。「育ちが―・くていらっしゃる」
㋓有利だ。価値が高い。「この方式のほうが利率が―・い」
㋔向いている。ふさわしい。効き目がある。「客商売に―・い立地」
㋕好ましい。望ましい。「看板は目立つほうが―・い」「おとなしいお子さんで―・いですね」
㋖正しい。正当だ。善だ。「心掛けが―・い」
㋗人にやさしい。人との仲が円満だ。「お二人は本当に仲が―・いのね」
㋘吉にかなって、めでたい。「本日はお日柄も―・いようで」
2 《「よい」の丁寧な、また尊大ぶった言い方》許容範囲内であるさま。
㋐許可できる。「お引き取りいただいても―・いですよ」「―・い。引き受けましょう」
㋑さしつかえない。支障ない。「いつでも―・いから、一度相談に来なさい」
㋒どうでもよい。不要だ。無用だ。「私のことは―・いから、どうぞそのまま続けてください」「建て前などは―・い。本音を言いたまえ」
3 一応の基準に達していて、とりあえず満足しておくべき意を表す。
㋐悪くはない。まずまずだ。まあまあだ。
「京に上りて宮仕へをせよ。―・しきやうにもならば、我をも訪へ」〈大和・一四八〉
㋑ひとまず安心できる状態である。ましだ。
「病にしづみて久しく籠もりゐて侍りけるが、たまたま―・しくなりて」〈新古今・哀傷・詞書〉
㋒どうというほどでもない。普通だ。通常だ。平凡だ。→良い →
「春ごとに咲くとて、桜を―・しう思ふ人やはある」〈枕・三九〉
[類語]結構・良い・好ましい・素晴らしい・申し分ない・立派・