見事(読み)ミゴト

デジタル大辞泉 「見事」の意味・読み・例文・類語

み‐ごと【見事/美事】

原義。「美事」は当て字
[形動][文][ナリ]
すばらしいさま。りっぱなさま。「バラが―に咲く」「―な床柱
巧みなさま。あざやか。「予想が―に的中した」「―な腕前
(反語的に用いて)完全であるさま。すっかり。「ものの―に失敗した」「―な負けぶりだ」
[派生]みごとさ[名]
[副]に同じ。「―やり通した」
[名]みるべきこと。みるべき価値のあるもの。
「―いとおそし。そのほどは桟敷不用なり」〈徒然・一三七〉
[補説]12は、「お見事」の形で感動詞的にも用いられる。
[類語]殊勝健気神妙奇特感心立派結構素晴らしい良い素敵すてき最高絶妙卓抜秀逸目覚ましい輝かしいたえなるえも言われぬ良質上質上等優良佳良純良良好上上上乗グーグッドナイスワンダフル好ましい程よい好個絶好最適じょうずうまい上出来言うことなしあっぱれめぼしい目立つ引き立つ顕著水際立つ著しい際立つ光る目を引く人目を引く人目につく目に立つひときわおも立つとりわけ値千金掛け替えのない群を抜く卓出卓越卓絶逸出巧み巧妙老巧達者器用賢い物の見事結構尽くめ何より・申し分が無い・目の覚めるよう目に染みる冴える抜群抜きん出る飛び抜けるずば抜ける頭抜ける並外れる人並み外れる度外れ断トツ非凡出色傑出一日いちじつの長素人離れ玄人はだし超人的

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精選版 日本国語大辞典 「見事」の意味・読み・例文・類語

み‐ごと【見事・美事】

  1. ( 「美事」はあて字 )
  2. [ 1 ] 〘 名詞 〙
    1. みるべきこと。見るべき価値のある事柄。みもの。
      1. [初出の実例]「此中に天台の一の箱と名て一生不犯の人一人して見事にて輒く開く座主希なり」(出典:延慶本平家(1309‐10)一本)
    2. ( 形動 ) 転じて、美しいこと。様子が立派なこと。すばらしいこと。また、そのさま。
      1. [初出の実例]「或は見ことな馬かなと云て趙高にをしねりしたがう者もあり」(出典:史記抄(1477)五)
    3. ( 形動 ) 手ぎわなどがすぐれていること。巧みであること。また、そのさま。
      1. [初出の実例]「たくみにしてみことでもをそうて時の用にたたねばとりあげてほめうずことないぞ」(出典:玉塵抄(1563)九)
      2. 「酒を飲むならば、よい比(ころ)に飲ふだが見事な」(出典:仮名草子・浮世物語(1665頃)四)
    4. ( 形動 ) 完全であるさま。すっかり。「見事に失敗した」
      1. [初出の実例]「是からは見事におれにくれろ」(出典:咄本・無事志有意(1798)三人男)
  3. [ 2 ] 〘 副詞 〙 立派なさま、すぐれているさま、じょうずなさまなどを表わす語。みんごと。ちゃんと。
    1. [初出の実例]「今みごと云いあてたほどに」(出典:玉塵抄(1563)二七)
    2. 「見ごと沓も打まする」(出典:浄瑠璃・丹波与作待夜の小室節(1707頃)道中双六)

けん‐じ【見事】

  1. 〘 名詞 〙 ( 形動 ) 見物すること。また、見るべきところがあるさま。見もの。
    1. [初出の実例]「昨日の三井寺の合戦は、世に類も無き見事哉」(出典:御伽草子・秋の夜の長物語(南北朝))

みん‐ごと【見事】

  1. 〘 副詞 〙 「みごと(見事)」の変化した語。
    1. [初出の実例]「わしがやうに根から男のない身でさへ、みんごと堪忍しまするぞや」(出典:浄瑠璃・堀川波鼓(1706頃か)上)

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普及版 字通 「見事」の読み・字形・画数・意味

【見事】けんじ

朝見する。金文侯旨鼎(えんこうしてい)〕侯旨、初めて宗に見事す。王、旨に貝二十を賞す。

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