デジタル大辞泉
「妙」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
みょう メウ【妙】
〘名〙
① (形動) きわめてすぐれていること。
人知ではかり知ることができないほどすぐれていること。言語でいい表わせないほどすばらしいこと。また、そのさま。
※玉葉‐安元三年(1177)七月三〇日「隆憲説法、神也妙也、衆人驚聞者也」
※法窓夜話(1916)〈
穂積陳重〉一一「ドラコーの法は実に驚くべき酷法であって、血法とは名づけ得て妙と云はざるを得ない」 〔老子‐一〕
② (形動) 不思議なこと。奇妙なこと。
奇蹟。また、そのさま。
※足利本論語抄(16C)微子第十八「接輿が去たるが妙な也」
※
洒落本・筬の千言(1812頃)下「人の縁
(えん)てものァ妙だものだ」
③ (形動) 物事を喜んだり、ほめたり、はやしたてたりするときにいう
近世の流行語。すてき。すばらしいこと。いいこと。また、そのさま。
※洒落本・虚実柳巷方言(1794)中「近年大坂にて通言をはくこと流行〈略〉妙(メウ)で御座す」
④ (「妙」の字を分解すると「少女」となるところから) 寺のかこい女をいう、僧侶の
隠語。だいこく。
※
咄本・醒睡笑(1628)三「
庫裡(くり)から妙が粗忽
(そこつ)に出でていひけるは」
たえ たへ【妙】
〘形動〙
① 人知をこえて霊妙であるさま。不思議なまでにすぐれているさま。怪しいまでにすぐれて美しいさま。
※
万葉(8C後)九・一七四〇「
海若(わたつみ)の 神の宮の 内の重の 細
(たへ)なる殿に」
※
源氏(1001‐14頃)若菜上「たへにおもしろくあやしきまでひびく」
②
技芸などが非常にすぐれているさま。じょうずであるさま。
※古今(905‐914)仮名序「山の辺のあか人といふ人ありけり。哥にあやしく、たへなりけり」
③ なよやかで美しいさま。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報