デジタル大辞泉
「蔓延る」の意味・読み・例文・類語
ほびこ・る【蔓=延る】
[動ラ四]いっぱいにひろがる。はびこる。
「この見ゆる雲―・りてとの曇り雨も降らぬか心足らひに」〈万・四一二三〉
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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はびこ・る【蔓延】
- 〘 自動詞 ラ行五(四) 〙
- ① 草木などが、のびひろがる。ひろがり茂る。
- [初出の実例]「はびこれる葛の下ふく風の音も誰れかは今は聞くべかりける」(出典:斎宮女御集(985頃か))
- 「蒼黒い藻草が限りなく蔓延(ハビコ)ってゐた」(出典:彼岸過迄(1912)〈夏目漱石〉須永の話)
- ② 物が満ちて一杯になる。充満する。→はばかる(憚)。
- [初出の実例]「百姓殷(さか)りに富めり。稲(いね)斛(さか)に、銀銭一文。牛馬野に被(ハヒコレ)(〈別訓〉ほとこれ)り」(出典:日本書紀(720)顕宗二年一〇月(図書寮本訓))
- 「町々にはびこれる酒屋の数」(出典:滑稽本・古朽木(1780)二)
- ③ 勢いが盛んになって広まる。ひろまり栄える。また、のさばる。威勢をふるう。蔓延する。跳梁する。→はばかる(憚)。
- [初出の実例]「一類天下にはびこりて、威を振ひ」(出典:太平記(14C後)一一)
- 「長崎の町にはびこった、恐しい熱病にとりつかれて」(出典:奉教人の死(1918)〈芥川龍之介〉一)
蔓延るの補助注記
「虎明本狂言・宗論」に法華僧が「日本にはびこる程のほうもん(法文)じゃ程に」と言うと浄土僧が「三国にはばかるほどのほうもんじゃよ」と言い返す例があるように、「はびこる」と「はばかる」は、室町時代から江戸時代にかけて、用法上、重なるところがあった。
ほびこ・る【蔓延】
- 〘 自動詞 ラ行四段活用 〙 いっぱいに広がる。はびこる。
- [初出の実例]「この見ゆる雲保妣許里(ホビコリ)てとの曇り雨も降らぬか心足ひに」(出典:万葉集(8C後)一八・四一二三)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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