日光寺(読み)につこうじ

日本歴史地名大系 「日光寺」の解説

日光寺
につこうじ

[現在地名]西淡町松帆櫟田

慶野けいの松原南部海岸の東方、櫟田いちだ集落にある西山浄土宗寺院。法性山上宮院と号し、本尊は阿弥陀如来。明応四年(一四九五)六月日の日光寺本堂上葺造営勧進状(日光寺文書)に「委文之庄日光寺」とみえ、倭文しとおり庄内にあり、聖徳太子が建立、太子たいし堂とも称されたが荒廃、因幡国の僧一阿が霊夢により当地を訪れ、地元の一阿禅尼を檀越として当寺を再興したという。境内墓地に元亨二年(一三二二)一一月四日銘の石造五輪塔、応安七年(一三七四)正月二三日銘と同年七月一五日銘、同時代の二基の石造宝篋印塔があり,五基ともに県指定文化財。

日光寺
につこうじ

[現在地名]糸魚川市日光寺

日光寺集落なかほどにあり、阿弥陀山不動院と号し、真言宗豊山派、本尊大日如来、脇侍は文殊菩薩普賢菩薩。日光寺縁起によれば、天平年間(七二九―七四九)行基の創立と伝え、開山は良恵という。大同元年(八〇六)坂上田村麻呂より二〇〇石と観音堂を寄進され、七堂伽藍を有し、付属寺院一二坊をもつ有数の大寺であったという。文禄四年(一五九五)検地帳(真部虔一氏蔵)によれば六ヵ寺の名がみえ、天和三年(一六八三)の検地では日光寺を含め七ヵ寺の名がみえる。この時除地として一五石が与えられている(糸魚川市史)。文政年間(一八一八―三〇)堂宇破壊し、坊号・地禄とも日光寺で管理したという(西頸城郡誌)

日光寺
につこうじ

[現在地名]豊科町大字豊科 下鳥羽

下鳥羽の西方、西原にしはら地籍にあって、糸魚川いといがわ道の東側に東面している。真言宗、医王山を称し、長尾平福寺末。鎌倉時代の懸仏を本尊としている。

もと下鳥羽のてら村にあったといわれ、同地には大門だいもん古阿弥陀田ふるあみだだ本寺ほんじ寺所てらどこなどの地字を残している。武田晴信の兵火に遭って寺を焼失し、元和元年(一六一五)再度火災に遭い、同三年に再建されたと伝えている(「日光寺縁起」鳥羽官一氏蔵)

日光寺
につこうじ

[現在地名]浦川原村杉坪 寺浦

杉坪すぎつぼ集落北側の山腹寺浦てらうらにある。本堂・山門など四棟からなり、本堂前の池の配置は寝殿造の名残を思わせる古様である。杉壺山と号し、真言宗豊山派、本尊薬師如来。伝説によると大宝二年(七〇二)当地を訪れた行基が煙がみえた所を掘ったところ、一寸八分の薬師如来像が現れたので、日光・月光両菩薩と金剛力士像を彫り、一堂を建て薬師如来とともに安置したという。その後大同二年(八〇七)空海がこの地を訪れ大日如来像を彫り、やはり堂を建て日光寺と名付けたと伝える。墓地には鎌倉期のものと思われる墓塔・宝篋印塔が散見される。永正一〇年(一五一三)三月七日の越後守護上杉定実袖判守護代長尾為景安堵状(日光寺文書)では「五十公郷内椙壺日光(寺)別当職」とみえ、僧慶増が別当職を安堵されている。

日光寺
につこうじ

[現在地名]岩国市大字寺山 寺迫

臨済宗天龍寺派。楽音山と号し、本尊観世音菩薩。

寺蔵の「寺山日光寺由来記」に「当寺初建立天平元年、開基行基菩薩、其後寺焼失仕、因、行基菩薩ヨリ中興普明国師迄、前住世牌、宝物等一円無御座候」とあり、「本尊宝鏡観音、定朝之作、脇立達磨木像」と記す。境内に四間四面の薬師堂があるが、そこに安置する薬師如来は行基の作、脇侍の日光菩薩月光菩薩は恵心の作、持国天・多聞天は安阿弥(快慶)の作と記している。

日光寺
につこうじ

[現在地名]上川村払川 西山

西山にしやま集落にあり、天台宗、医王山と号し、本坊に阿弥陀、中堂に薬師を安置する。寛文六年(一六六六)の「会津風土記」に延暦年中(七八二―八〇六)伝教大師が建てたとあり、「新編会津風土記」でも伝教ゆかりの御筆ごひつ山や硯水石を伝え、大師開基とするが、「会津旧事雑考」では弘法大師建立と伝える会津五薬師の一に数えられる。また一説に延暦または大同年間(八〇六―八一〇)に徳一が創建したともいう。

日光寺
につこうじ

[現在地名]師勝町熊之庄 城屋敷

熊島山と号し、曹洞宗。本尊釈迦如来。天平年中(七二九―七四九)の創建で、開基は僧高舜、開山は僧文智。当初は真言宗であったと「尾張名所図会」は記す。寺伝では大永六年(一五二六)心峯(心歩)文智の開山とし(師勝町史)、当初は天台宗であったが、日良高舜が慶長一四年(一六〇九)に中興して曹洞宗に改宗したという。

日光寺
につこうじ

[現在地名]師勝町二子 屋敷

皆合山と号し、曹洞宗。本尊十一面観世音菩薩。永禄八年(一五六五)全昌の開基であるが、その後平僧地となり、五世賢竜が元禄一四年(一七〇一)に法地を再興し、竜潭りゆうたん(現岩倉市)の一一世鳳山宅鯨を中興開山とした(徇行記)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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