有り有り(読み)アリアリ

デジタル大辞泉 「有り有り」の意味・読み・例文・類語

あり‐あり【有り有り/在り在り】

[副]
はっきりと外に現れるさま。明らかに。「顔に不満の色が―(と)見えた」
まるで現実であるかのようにはっきりと見えるさま。鮮やかに。「なき友の姿が―(と)目に浮かぶ」
[類語]明らかはっきりまざまざさやか定かくっきりしかきわやか鮮やか明瞭めいりょう鮮明分明顕著顕然歴然歴歴瞭然りょうぜん亮然りょうぜん判然画然かくぜん截然せつぜん見るから明快平明簡明明晰明白明明白白端的めっきり浮き彫りクリア明確明解自明彷彿鮮烈一目瞭然手に取るようたなごころを指すまがう方ない隠れもない火を見るよりも明らか目に見える言わずと知れたまぎれもない

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精選版 日本国語大辞典 「有り有り」の意味・読み・例文・類語

あり‐あり【有有・在在】

  1. [ 1 ] 〘 副詞 〙 ( ラ変動詞「あり(有)」を重ねて副詞化したもの。多く「と」を伴って用いる )
    1. 現実のあるままをはっきりと。あるがままに。または、あるべきさまを模して真実らしく。もっともらしく。
      1. (イ) 言葉に表わす場合。
        1. [初出の実例]「ありありと、作た詩也」(出典:中華若木詩抄(1520頃)上)
      2. (ロ) 心に浮かべたり、形に表わしたりする場合。また、非現実のことが、あたかも現実のように見えたり、思えたりすることにもいう。
        1. [初出の実例]「画図花には香はないものなれども、余り見事にありありとかいた程に、香もあるかと思ぞ」(出典:四河入海(17C前)一一)
        2. 「母親のおろおろした姿が、ありあり浮ぶやうであった」(出典:黴(1911)〈徳田秋声〉四八)
    2. 物事の状態や特色が、はっきりと現われているさま。あきらかに。明瞭に。
      1. [初出の実例]「鞠の如く肥えたる馬に沓をかけ、ありありと出でられたり」(出典:御伽草子・草木太平記(有朋堂文庫所収)(江戸初)上)
  2. [ 2 ] 〘 名詞 〙 あったとおりのこと。ありのまま。
    1. [初出の実例]「彼の男の事で御座りますから、真面目(まじめ)な顔でありありを言ひましたを」(出典:われから(1896)〈樋口一葉〉一〇)

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