確と(読み)シカト

デジタル大辞泉 「確と」の意味・読み・例文・類語

しか‐と【確と/×聢と】

[副]
はっきりとしているさま。確実でまちがいのないさま。たしかに。「夕方のことで―は見えなかった」「―相違ありません」
かたく、しっかりと。また、十分に。完全に。しっかと。「地盤を―固める」「―考えてみる」
すきまなく。びっしりと。
廻廊に―並み居たり」〈太平記・三〉
[補説]「聢」は国字
[類語](1堅い確りはっきりくっきりありありまざまざ明らかきわやか定かさやか鮮やか明瞭めいりょう鮮明分明顕著顕然歴然歴歴瞭然りょうぜん亮然りょうぜん判然画然かくぜん截然せつぜんぴたっとぴたりどんぴしゃりかっきりきっかりきっちりちょっきり丁度ジャストかっちりきちんときちんきちんちゃんと正確精確明確確実確か明白見るから明快平明簡明明晰明明白白端的めっきり浮き彫りクリア明解自明彷彿鮮烈一目瞭然手に取るようたなごころを指すまがう方ない隠れもない火を見るよりも明らか目に見える言わずと知れたまぎれもない/(2がちっとがっちりしっかりがっしり固いきついぎゅっときゅっとかっちりひしとぎゅうきゅうきゅうぎゅうぎゅうぴたり堅固頑丈堅牢頑強強固牢固

しっか‐と【確と/×聢と】

[副]《「しかと」の促音添加》しっかりと。かたく。「大地に―根を張る」

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「確と」の意味・読み・例文・類語

しか‐と【確と・聢と】

  1. 〘 副詞 〙
  2. はっきりしているさま。はっきりと。ちゃんと。分明に。
    1. [初出の実例]「志可登(シカト)あらぬ 鬚かき撫でて 吾れをおきて 人はあらじと 誇ろへど」(出典:万葉集(8C後)五・八九二)
  3. たしかであるさま。確実なさま。たしかに。かならず。
    1. [初出の実例]「縦しかと腎か両方にあると云証拠はなくとも、命門を指て陰支蘭蔵と云べきぞ」(出典:史記抄(1477)一四)
  4. いいかげんでないさま。かたく。しっかりと。
    1. [初出の実例]「淵辺御の上に乗懸り、腰の刀を抜て、御頸を掻んとしければ、宮御頸を縮て、刀のさきをしかと呀(くわへ)させ給ふ」(出典:太平記(14C後)一三)
  5. 十分に。完全に。よく。
    1. [初出の実例]「次遠州之儀、兵粮然と断絶候」(出典:上杉家文書‐(永祿一二年)(1569)四月二七日・北条氏康書露状)
  6. すきまのないさま。びっしりと。
    1. [初出の実例]「誰か候と被尋ければ、其国の某々と名乗て、廻廊にしかと並居たり」(出典:太平記(14C後)三)
  7. 自分の望みどおりにするさま。
    1. [初出の実例]「xicato(シカト) ゴザレ〈訳〉自分の望みどおりにしている」(出典:日葡辞書(1603‐04))

しっか‐と【確と・聢と】

  1. 〘 副詞 〙 ( 「しかと」を強めた言い方 ) たしかで、いいかげんでないさまを表わす語。
  2. 動作態度などがしっかりしているさま。しっかり。
    1. [初出の実例]「嗇夫は嗇はをしむやうな心で物をよくしっかとつましふする小官の名也」(出典:史記抄(1477)一三)
    2. 「飛びかかってしっかと取れば」(出典:浄瑠璃・烏帽子折(1690頃)名尽し)
  3. 物事状態などがしっかりしているさま。
    1. [初出の実例]「韈を以てしっかと褁て鞋を着けよぞ」(出典:百丈清規抄(1462)二)

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