松竹[株](読み)しょうちく

百科事典マイペディアの解説

松竹[株]【しょうちく】

映画・演劇・大衆演芸・歌舞伎の製作配給会社。白井松次郎大谷竹次郎兄弟が1902年設立した松竹(まつたけ)合名社が前身。京都の劇場の中売りからはじめ,次々と劇場の直営に乗り出し,人気役者を掌握して,東西の演劇界を制圧。1920年には松竹キネマ合名社を創立。米国の映画企業機構を取り入れ,明るい映画・女性映画を製作し,一時代を築いた。日本最初の本格トーキー《マダムと女房》(1931年),メロドラマ《愛染かつら》(1938年),寅さんシリーズ《男はつらいよ》など多くの映画で知られる。監督は小津安二郎五所平之助斎藤寅次郎木下恵介山田洋次らが活躍。1995年にはテーマパーク〈鎌倉シネマワールド〉を開設したが,不振で1998年閉鎖。洋画では東急・東映と配給網を整え,《ロード・オブ・ザ・リング》《ファインディング・ニモ》《ラスト・サムライ》などヒット作に恵まれた。本社東京。2011年資本金330億円,2011年2月期売上高902億円。2011年2月期売上構成(%)は,映像関連59,演劇26,不動産9,その他9。
→関連項目今村昌平大島渚岡鬼太郎川島雄三城戸四郎神代辰巳佐田啓二篠田正浩島津保次郎清水宏松竹歌劇団新藤兼人鈴木清順高峰秀子成瀬巳喜男にっかつ(日活)[株]野村芳太郎晩春森崎東山本薩夫吉田喜重吉村公三郎笠智衆

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世界大百科事典 第2版の解説

しょうちく【松竹[株]】

演劇・映画・演芸の製作,興行を主とした興行資本。1902年白井松次郎大谷竹次郎双生児の兄弟が,名まえの頭文字を組み合わせて創立した松竹(まつたけ)合名社が成長したもの。京都の劇場の中売りから身をおこし,創立の年に阪井座を経営,新派俳優静間小次郎と提携,京都・明治座進出,06年には初世中村鴈治郎と提携して大阪へ進出,同時に京都・南座を直営して,まず京都を中心に礎を固めた。10年,白井に関西を託して大谷が上京,新富座を買収して曾我廼家(そがのや)劇を,次いで本郷座を直営して新派大合同一座を掛けるなど東京進出の第一歩をしるし,新派俳優の大部分を掌握,さらに12年には明治座の市川左団次一座の興行に参与し,左団次を専属とするなど明治期にその勢力を不動のものにした。

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世界大百科事典内の松竹[株]の言及

【大谷竹次郎】より

…白井松次郎とは双生児でその弟。四条花見小路祇園館の売店を営む両親を手伝い,20歳で興行界に乗り出し,新京極坂井座の金主,25歳で兄松次郎と松竹合名社を創立,関西を兄に託して単身上京し,新富座,本郷座などを傘下におさめ,興行師の地歩を揺るぎないものとした。1914年には東京・歌舞伎座でも興行をし,演劇界の実力者として活躍した。…

【時代劇映画】より

…こうして,23年という年を中心に,いくつかの動きが〈時代劇〉を生み出すことになる。 まず,松竹が1922年,伊藤大輔脚本,野村芳亭監督,勝見庸太郎主演《清水次郎長》を〈純映画化されたる旧劇〉と宣伝して公開し,翌23年,同じトリオによる《女と海賊》を〈新時代劇映画〉と銘打って世に出した。これが〈時代劇〉という呼称の始まりで,伊藤大輔はその間の経緯を次のように記している(《時代映画》1955年5月号)。…

【少女歌劇】より

…若い女性だけのチームによって,ショーやオペレッタ風の音楽劇を演じる日本独特の大衆的な演劇形式。現在は名称から〈少女〉の字をはずしているが,〈宝塚歌劇団〉〈松竹歌劇団〉の2劇団がある。
[宝塚歌劇団]
 1912年に白木屋呉服店が西野恵之助の提唱で少女歌劇団を結成,同店演芸場で歌劇《羽子板》を上演したのが少女歌劇のはじめといわれる。…

【日本映画】より

…こうして日活は,〈活動写真〉の時代から〈映画〉の時代へ入っていく。
【小山内薫と谷崎潤一郎】

[小山内薫と松竹]
 〈活動写真〉が〈映画〉に生まれ変わっていくに際し,大きな役割を果たした人物の一人に,〈新劇の父〉小山内(おさない)薫がいる。1920年,松竹が演劇界から映画界への進出を目ざして松竹キネマ合名社(のち株式会社)を設立したとき,小山内薫は理事として招かれるとともに松竹キネマ俳優学校の校長に就任,東京蒲田の撮影所が開設されるや,総監督を任ぜられた。…

※「松竹[株]」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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