甲府[市](読み)こうふ

百科事典マイペディア 「甲府[市]」の意味・わかりやすい解説

甲府[市]【こうふ】

山梨県中部の市。1889年市制。県庁所在地。中心市街は甲府盆地のほぼ中央にあり,古く甲斐国府が置かれ府中と呼ばれた。1519年武田信虎の館築造後武田氏の拠点となり,江戸期に入り柳沢吉保城下町を整備,甲州道中宿場町,商人町としても発展,甲州生糸,印伝を特産した。国道20号線,中央本線が通じ身延線が分岐する。1982年中央自動車道が通じて高速交通の便がよくなったため伝統ある水晶細工から発展した貴金属・ガラス研磨工業のほか電気機器・化学・精密機械工業も進出,製造品出荷額で3160億円(2003)を上げ,県の出荷額の約14%を占めている。農村部では近郊野菜・ブドウ栽培,ブドウ酒醸造が盛ん。武田信玄をまつる武田神社,武田氏館跡(史跡),湯村温泉・甲府温泉・積翠寺温泉があり,長野県境に続く北部山地は秩父多摩甲斐国立公園に属し,昇仙峡特別名勝)がある。2006年3月東八代郡中道町,西八代郡上九一色村北部を編入。東日本大震災で,市内において被害が発生。212.47km2。19万8992人(2010)。
→関連項目敷島[町]田富[町]躑躅崎館山梨[県]山梨[市]山梨大学谷村

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

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