(読み)ソ

デジタル大辞泉 「祖」の意味・読み・例文・類語

そ【祖】[漢字項目]

[音](呉)(漢) [訓]おや
学習漢字]5年
家系を開いた人。また、それを継いだ各世代の重なり。「祖国祖先遠祖家祖皇祖高祖先祖せんぞ父祖
父母の父。親の親。「祖父祖母外祖曽祖そうそ
一派を開いた人。物事のもと。「祖師開祖教祖始祖鼻祖仏祖
のっとって従う。「祖述
旅の安全を守る神。「道祖神
[名のり]さき・のり・はじめ・ひろ・もと
[難読]御祖父おじいさん御祖母おばあさん祖父じじ祖母ばば

そ【祖】

ある血統・家系の初代。「当家
ある物事を始めた人。元祖。開祖。「天文学

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精選版 日本国語大辞典 「祖」の意味・読み・例文・類語

そ【祖】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 父の父。おおじ。じじ。祖父。
    1. [初出の実例]「父より祖を親み、子より孫を親む」(出典:親族正名(1725))
    2. [その他の文献]〔易経‐小過卦〕
  3. その血統、家系の最初の人。とおつおや。先祖。
    1. [初出の実例]「秦は姓の祖なりとは云へども」(出典:史記抄(1477)四)
    2. [その他の文献]〔詩経‐大雅〕
  4. ある物事を創始した人。開祖。元祖。
    1. [初出の実例]「仏は仏に嗣し、祖は祖に嗣す」(出典:正法眼蔵(1231‐53)一顆明珠)
    2. 「天照大神は王道の祖也」(出典:日本書紀桃源抄(15C後))
  5. 物事のはじめ。もと。きっかけ。
    1. [初出の実例]「おめかけはほうじを祖としねだり事」(出典:雑俳・柳多留‐二一(1786))
    2. 「上方噺は〈略〉京都真葛ケ原の野天に於て興行したものを祖としてゐる」(出典:寄席風俗‐上方落語・芝居噺研究(1942)〈正岡容〉)

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普及版 字通 「祖」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 9画

(旧字)
人名用漢字 10画

[字音]
[字訓] せんぞ・おや

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 形声
声符は且(そ)。卜文・金文に且をの字に用いる。〔説文〕一上に「始なり」とあり、始祖の意とする。郭沫若に且を男子の性器の象とする説があるが、且は俎几(そき)の形であり、その上に大臠(だいれん)の肉をおくを宜、肉片を列するを俎といい、薦俎の器であることは明らかである。且に徂・・送終の意があり、〔儀礼、既夕礼〕「司、ふ」とは、死者を送る飲餞(いんせん)の期を請う意。また祖道・祖餞は旅立つ人を送る礼をいう。先祖の意より、ことの起源、また規範をそこに求める意となる。

[訓義]
1. 先祖、遠つ親、その家系のはじめの人。
2. おや、おおじ、父の父、祖父。
3. みたまや。
4. もと、はじめ、おこり。
5. のっとる、ならう、規範とする。
6. 死者をおくる、道祖神をまつる、旅立つ人をおくる。

[古辞書の訓]
和名抄 於保知(おほぢ)/母 於波(おば)〔名義抄 オホヂ・アラハル・アラハス・タウトム・ホノカ・コノム・フリ・ハジメ・ハジム・トドム・ツム・トホシ/上 トホツオヤ/ オホヂ/母 オバ

[語系]
tza、且tzia、徂・dzaは声近く、おそらくゆくものを送るという基本義をもつ語の系列に属するものであろう。

[熟語]
祖意・祖飲・祖・祖宴・祖翁・祖花祖駕祖饋・祖期・祖旧・祖居・祖君・祖訓・祖公・祖考・祖構・祖国・祖載・祖山・祖師祖祠・祖式祖執・祖習・祖述・祖尚・祖上・祖神・祖席・祖籍・祖餞・祖先・祖送・祖喪・祖贈・祖沢・祖竹祖鬯・祖帳・祖・祖・祖道・祖徳祖衲祖妣・祖父・祖武・祖別・祖邦・祖本・祖離・祖竜・祖礼・祖霊
[下接語]
遠祖・開祖・外祖・楽祖・教祖・敬祖・芸祖・元祖・皇祖・高祖・始祖・師祖・宗祖・出祖・先祖・曾祖・尊祖・太祖・乃祖・田祖・曩祖・馬祖・鼻祖・父祖・仏祖・物祖・文祖・六祖・烈祖

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

世界大百科事典(旧版)内のの言及

【道祖神】より

…サエノカミ(塞の神),ドウロクジン(道陸神),フナドガミ(岐神)などとも呼ばれ,村の境域に置かれて外部から侵入する邪霊,悪鬼,疫神などをさえぎったり,はねかえそうとする民俗神である。陰陽石や丸石などの自然石をまつったものから,男女二神の結び合う姿を彫り込んだもの(双体道祖神)まで,この神の表徴は多様である。道祖神は境界的,両義的な特性においてきわだっている。…

【廟号】より

…中国で天子の霊をまつるとき,追尊して贈る宗廟の称号。太祖,太宗など祖・宗の前に1字がつく。本来,有功者を祖,有徳者を宗とし,舜が瑞頊(せんぎよく),尭に贈ったのが最初とされ,漢代では功徳高き天子に限って廟号をもち,その廟は毀廟とはならなかった。…

【祖沖之】より

…字は文遠,范陽(河北省)の人。南朝の宋の時代(420‐479)に歳差の効果を考慮して新暦を作ったが,この暦法は息子の祖(そけん)の努力によって梁の時代に大明暦として官暦に採用された(510)。また円周率の値を335/113(密率)と決め,近似値を22/7(約率)とした。…

※「祖」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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