(読み)じゃ

精選版 日本国語大辞典「蛇」の解説

じゃ【蛇】

〘名〙
① 大きなヘビ総称。また、古代中国の想像上の動物。龍に似て、手足がない。おろち。うわばみ。大蛇。だ。
※古本説話集(1130頃か)五五「釈迦仏(さかほとけ)、道をおはしけるに、黄金(こがね)を多く埋みたるを御らんじて、そのじゃの上な踏みそと仰せられければ」 〔詩経‐小雅・斯干〕
② 富士権現で土産として売っている麦わらのへビ。
※雑俳・川傍柳(1780‐83)四「みやげに買った蛇の舌でうそを付」
③ 大酒飲みをいう。酒豪。大酒家。蛇之助(じゃのすけ)。うわばみ。
※浄瑠璃・淀鯉出世滝徳(1709頃)上「親茂庵といふたも命を酒にかへられた、鯉殿の母ごぜももとはここにつとめた人、どちらへにても蛇(ジャ)しそん
④ 取引市場付近で仲買人などによって行なわれる賭博の一つ。数枚の銅貨をかさね、一番下の銅貨の裏表にかけるもの。〔取引所用語字彙(1917)〕

へび【蛇】

〘名〙
① 爬虫類有鱗(ゆうりん)目ヘビ亜目に属する動物の総称。体は細長い円筒形で、縄状を呈する。体表は小鱗でおおわれ、四肢は退化・消失している。口は大きく開き、きわめて大きな獲物でも飲みこむ。舌は細長く、先端は二またに分かれる。腹面のうろこは前進運動をたすける。口内に毒牙を持つもの(毒ヘビ)もあり、人畜に被害を与える。シマヘビアオダイショウニシキヘビマムシコブラハブなど。へみ。くちなわ。ながむし。《季・夏》
※源平盛衰記(14C前)一四「大なる蛇(ヘビ)はひ出て、重盛の右の膝の下へはい入けり」
② (比喩的に) 執念深いこと。また、その人。
[補注]上代には「へみ」と呼ばれていたが、平安時代に「くちなは」が現われ、「へみ」と共存した。

くち‐なわ ‥なは【蛇】

〘名〙 「へび(蛇)」の異名。《季・夏》 〔十巻本和名抄(934頃)〕
徒然草(1331頃)二〇七「大きなるくちなは、数もしらずこりあつまりたるありけり」
[語誌]平安時代には「へみ」とともに無毒の蛇の総称であった。「へみ」はすでに「仏足石歌」などの資料に見えるが、「くちなは」は平安以降の和文脈で用いられることが多い。

へみ【蛇】

〘名〙 =へび(蛇)①《季・夏》
※仏足石歌(753頃)「四つの閇美(ヘミ)五つの鬼(もの)の 集まれる穢(きたな)き身をば 厭(いと)ひ捨つべし 離れ捨つべし」

だ【蛇】

〘名〙 ヘビ。じゃ。
※虞美人草(1907)〈夏目漱石〉一七「繊(ほそ)き蛇(ダ)の」

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デジタル大辞泉「蛇」の解説

へび【蛇】

《「へみ」の音変化》有鱗ゆうりん目ヘビ亜目の爬虫はちゅうの総称。体は円筒形で細長く、四肢を欠く。全身うろこにおおわれ、腹部のうろこを起伏させながら体をくねらせて進む。舌は先が二つに分かれ、空気の振動やにおい、温度差を感じ取る。目は1枚の膜に覆われ、まぶたは固着していて動かない。卵生または卵胎生。カエル・ネズミ・小鳥や鳥の卵を捕り、丸飲みする。アオダイショウなど無毒のもの、マムシハブなど有毒のものがある。南極を除く各大陸に広く分布するが、熱帯・亜熱帯に多い。一般に、執念深いなどとして人に嫌われるが、神の使いなどともされる。くちなわ。ながむし。かがち。 夏》「―逃げて我を見し眼の草に残る/虚子
[類語]くちなわ長虫大蛇だいじゃ大蛇おろちうわばみ毒蛇錦蛇青大将縞蛇ヤマカガシがらがら蛇波布コブラ海蛇盲蛇

じゃ【蛇】[漢字項目]

常用漢字] [音]ジャ(呉) (慣) [訓]へび くちなわ
〈ジャ〉
へび。「蛇身大蛇毒蛇
へびの形に似たもの。「蛇口じゃぐち蛇腹じゃばら
〈ダ〉へび。「蛇蝎だかつ蛇行蛇足長蛇竜頭蛇尾
〈へび〉「海蛇毒蛇錦蛇にしきへび
[難読]蟒蛇うわばみ大蛇おろち赤楝蛇やまかがし

じゃ【蛇】

大きなヘビの総称。おろち。うわばみ。「鬼が住むかが住むか」
《「蛇之助」の略》大酒飲み。酒豪。
「どちらへ似ても―の子孫」〈浄・淀鯉〉

へみ【蛇】

へび(蛇)」に同じ。
「四つの―五つのものの集まれるきたなき身をば」〈仏足石歌

くち‐なわ〔‐なは〕【蛇】

《形が朽ちた縄に似ているところから》ヘビの別名。 夏》
[類語]長虫大蛇だいじゃ大蛇おろちうわばみ毒蛇錦蛇青大将縞蛇ヤマカガシがらがら蛇波布コブラ海蛇盲蛇

だ【蛇】[漢字項目]

じゃ

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動植物名よみかた辞典 普及版「蛇」の解説

蛇 (ヘビ)

動物。ヘビ類の総称

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世界大百科事典内のの言及

【能面】より

…ほかに阿形では天神,黒髭(くろひげ),顰(しかみ),獅子口など,吽形では熊坂(くまさか)がある。能面の鬼類では女性に属する蛇や般若,橋姫,山姥(やまんば)などのあることが特筆される。(3)は年齢や霊的な表現の濃淡で区別される。…

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