賦役(西洋)(読み)ふえき

百科事典マイペディアの解説

賦役(西洋)【ふえき】

農民が土地領主のために行う無償労役(労働地代)としての賦役は前近代ヨーロッパ社会に広くみられたが,歴史的にはとくに中世封建社会の荘園制のもとでのそれをいう。古典荘園制における領主直営地では賦役が主要な労働源となり,こうした農民はふつう農奴と呼ばれる。その内容はさまざまな作業にわたり,期間も週数日,農繁期における特別賦役など不定量的であった。中世後期には農民の経済的・社会的地位が次第に向上し,農民保有地の割合が増すのとともに減少,領主への義務は現物・貨幣に移行した。近世西欧における賦役の意味は小さかったが,東欧では領主直営地が拡大して,19世紀以降の農奴解放まで大きな意味をもった。→封建地代
→関連項目グーツヘルシャフトドイツ農民戦争領主裁判権

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

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