デジタル大辞泉
「走」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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はしり【走】
- 〘 名詞 〙 ( 動詞「はしる(走)」の連用形の名詞化 )
- ① すばやく進むこと。なめらかに動いて行くこと。滑走。
- [初出の実例]「走りなむども疾(とく)して」(出典:今昔物語集(1120頃か)二三)
- ② 「はしりぎ(走木)」の略。
- [初出の実例]「橋桁を渡る者あらば、走(ハシ)りを以て推し落す様にぞ構へたる」(出典:太平記(14C後)一四)
- ③ 逃亡すること。出奔。かけおち。
- [初出の実例]「失物か走りか心中がかった者なら奇妙に所をさいて見せるぞ」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)座摩社)
- ④ はしる人。先ばしりの者。先に立って行くしもべ。先がけ。
- [初出の実例]「五人の人々是を見て、まづはしりをやりすごし」(出典:浄瑠璃・公平つるぎのりっくわ(1661‐72頃)五)
- ⑤ 台所の流し。食器、食物などを洗った水を洗い台の隅の小穴から下へ走り流すところからいう。
- [初出の実例]「成身院と一乗院と走の水の事被二申出一、種々及二問答一」(出典:多聞院日記‐天正一三年(1585)九月一四日)
- ⑥ 季節にさきがけて出る野菜、果物、魚鳥など。はつもの。はしりもの。
- [初出の実例]「笠間より茶上。はしり一斗五升つつ、わき六升つつ」(出典:多聞院日記‐天正一一年(1583)四月二七日)
- ⑦ ( ⑥の意から ) 同種のものの中で、最初となるもの。
- [初出の実例]「寧ろさうした走りの外国作家の名に馴れてゐないので」(出典:東京の三十年(1917)〈田山花袋〉KとT)
- ⑧ 俳諧で、前句の勢いに乗ってつける付合の手法。
- [初出の実例]「走(ハシリ) 敵よせ来るむら松の音 有明の梨打烏帽子着たりけり」(出典:俳諧・葛の松原(1692))
- ⑨ 俳諧で、一句の調子がなめらかですらっとしていること。
- [初出の実例]「句のはしりよく、心のねばりすくなからん」(出典:俳諧・去来抄(1702‐04)先師評)
わしり【走】
- 〘 名詞 〙 ( 動詞「わしる(走)」の連用形の名詞化 )
- ① 走ること。ある方面にひたすら進むこと。
- [初出の実例]「是に語りやうあり、睦びやうあり、努々恋のわしりにはあらず」(出典:評判記・色道大鏡(1678)五)
- ② 金を貸して利息をかせぐこと。金を有利に運用すること。また、その利息。
- [初出の実例]「百五十匁を旦那殿へたのんで、月一匁五分づつのわしりにかけ」(出典:浮世草子・立身大福帳(1703)三)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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普及版 字通
「走」の読み・字形・画数・意味
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
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