踏込む(読み)フミコム

デジタル大辞泉 「踏込む」の意味・読み・例文・類語

ふみ‐こ・む【踏(み)込む】

[動マ五(四)]
勢いよく足を踏み出す。「一歩―・んで打つ」
踏んで、落ち込む。また、ある状態場所に入り込む。「水たまりに―・む」「悪の道に―・む」
人の家などに、無断で、また強引に入り込む。「土足で―・む」
一段と深く物事核心にせまる。「一歩―・んで論じる」
力を込めて踏む。「アクセルを思い切り―・む」
[類語]侵入乱入侵す侵害侵略進入入り込む潜り込む忍び込む忍び入る紛れ込む割り込む分け入る潜入浸入闖入ちんにゅう流入深入り侵寇侵犯突入侵攻切り込む乗り込む立ち入る押し入る駆け込む走り込む押し込む繰り込む上がり込む舞い込む足を踏み入れる

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「踏込む」の意味・読み・例文・類語

ふみ‐こ・む【踏込】

  1. [ 1 ] 〘 自動詞 マ行五(四) 〙
    1. 踏んで落ち込む。
      1. [初出の実例]「南のつらのいとあしき泥をふみこみて候つれば」(出典:大鏡(12C前)二)
    2. 足を踏み出して勢いよく前へ進む。
      1. [初出の実例]「ふみこんで一討に遊ばせ」(出典:浄瑠璃・烏帽子折(1690頃)名尽し)
    3. 足を踏み出して中へはいる。進んで行ってある場所にはいる。また、物事に深くはいり込む。〔羅葡日辞書(1595)〕
      1. [初出の実例]「一歩不安の中へ踏み込んだ訳になる」(出典:坑夫(1908)〈夏目漱石〉)
    4. 無断ではいり込む。強引にはいり込む。
      1. [初出の実例]「たとひなじみの人これへふみこみ給とも」(出典:評判記・色道大鏡(1678)四)
    5. 境界を越えてはいり込む。
      1. [初出の実例]「お互い三十代にようやく踏みこんだばかりだった」(出典:さらばモスクワ愚連隊(1966)〈五木寛之〉一)
  2. [ 2 ] 〘 他動詞 マ行五(四) 〙
    1. 力を込めて踏む。踏んで押し込む。また、足を深く中へ入れる。
      1. [初出の実例]「くびかきはなし、ゆきの中にふみこうで」(出典:義経記(室町中か)七)
    2. 物事に自分の気持を一段と深入りさせる。また、物事を思い切ってする。
      1. [初出の実例]「下たる人、身をふみ込て可勤様決て無之事なれば」(出典政談(1727頃)三)
    3. そのままの状態で事をはこぶ。身なりなどをかまわないでいる。
      1. [初出の実例]「春迄はふみこんで置女ぶり」(出典:雑俳・柳多留‐初(1765))

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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