切込む(読み)キリコム

デジタル大辞泉 「切込む」の意味・読み・例文・類語

きり‐こ・む【切(り)込む/斬(り)込む】

[動マ五(四)]
刃物で深く切る。「肩先深く―・まれる」
刀を抜いて切って入る。踏み込んで切る。「敵陣に―・む」
深いところまで鋭く入り込む。「議論核心に―・む」
切って中に入れる。「野菜を―・んで煮る」
切ってはめ込む。
「堅い樫の板を奇麗に―・んだ手際は」〈漱石三四郎
[類語](1刻む切る裁つちょん切るぶった切るかき切る切り刻むちぎる切り抜く刎ねる切り出す叩き切る焼き切る捩じ切る切り開く切り落とす切開/(2侵入乱入侵す侵害侵略進入入り込む潜り込む忍び込む忍び入る紛れ込む割り込む分け入る潜入浸入闖入ちんにゅう流入深入り侵寇侵犯突入侵攻踏み込む乗り込む立ち入る押し入る駆け込む走り込む押し込む繰り込む上がり込む舞い込む足を踏み入れる

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「切込む」の意味・読み・例文・類語

きり‐こ・む【切込・斬込】

  1. [ 1 ] 〘 自動詞 マ行五(四) 〙
    1. 深く切る。鋭くはいりこむ。
      1. [初出の実例]「ちゃうどうつ、きりはづして、大木にきりこみ、ぬかんぬかんとする内に」(出典:浄瑠璃・日本蓬莱山(1685頃)一)
    2. 踏み込んで切る。進み入って切る。
      1. [初出の実例]「片膝ついたまま斫込(キリコミ)━受流(うけながし)。十二三合亙(わた)り合はす」(出典:二人比丘尼色懺悔(1889)〈尾崎紅葉〉戦場)
    3. 刀を抜いて敵の中へはいりこむ。〔日葡辞書(1603‐04)〕
      1. [初出の実例]「其機に乗じて斬込(キリコ)まうとして」(出典:福翁自伝(1899)〈福沢諭吉〉欧羅巴各国に行く)
    4. 問いつめる。鋭く追究する。また、激しく詰め寄る。
      1. [初出の実例]「賛否何れとも決し難(かね)たる真向(まっかう)から満更(まんざら)小春が憎いでもあるまいと遠慮なく発議者に斬(キリ)込まれ」(出典:かくれんぼ(1891)〈斎藤緑雨〉)
  2. [ 2 ] 〘 他動詞 マ行五(四) 〙
    1. 切ってはめ込む。建築用に材木を切って適合させる。〔和英語林集成(初版)(1867)〕
    2. 切って入れる。
      1. [初出の実例]「魚肉の雪の如くなるに、青蔬をきりこみて、煮て食ぞ」(出典:四河入海(17C前)二五)

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