(読み)シュウ

デジタル大辞泉 「集」の意味・読み・例文・類語

しゅう【集】[漢字項目]

[音]シュウ(シフ)(漢) [訓]あつまる あつめる つどう
学習漢字]3年
あつまる。あつめる。「集荷集会集金集計集合集団集中雲集群集結集採集収集召集徴集編集募集密集
あつめたもの。詩文をあつめて作った本。「歌集画集詩集選集全集文集論集
[名のり]あい・い・ため・ち・ちか・つどい

しゅう〔シフ〕【集】

詩歌・文章・絵・写真などを集めた書物。また、録音・録画物についてもいう。「に収めた佳作」「短編映画

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「集」の意味・読み・例文・類語

あつめ【集】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( 動詞「あつめる(集)」の連用形名詞化 ) 多くのものを一箇所に寄せてまとめること。また、そのもの。
    1. [初出の実例]「やまと歌の道は、昔より代々(よよ)のあつめに」(出典:ささめごと(1463‐64頃)上)
  3. あつめじる(集汁)」の略。
    1. [初出の実例]「二の膳〈略〉汁 各かはらけに、あつめ五黄、上にもむすびこぶ、つくつくし」(出典:松屋会記‐久政茶会記・永祿六年(1563)正月一一日)

あつまり【集】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「あつまる(集)」の連用形の名詞化 )
  2. 集まること。集まったもの。
    1. [初出の実例]「京都は天下のあつまりぢゃほどに、微細なる事までも事に習て何をも知ぞ」(出典:史記抄(1477)一九)
  3. 集会。会合。
    1. [初出の実例]「お島叔母さんが出立の夜は、能勢の叔母さんの病床の傍で、家族のあつまりをした」(出典:黒い眼と茶色の目(1914)〈徳富蘆花〉三)

たかり【集】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「たかる(集)」の連用形の名詞化 )
  2. あつまり。むれ。
  3. 人をおどかして金品をゆすり取ったり、食事などを無理やりにおごらせたりすること。恐喝(きょうかつ)
    1. [初出の実例]「タカリと云って、通行人を捕へて誰彼の区別なく金銭、煙草などを強請する」(出典:不良青少年少女の実相(1930)〈和田信義〉)

つどいつどひ【集】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「つどう(集)」の連用形の名詞化 ) 集まること。集まりかたまること。集まり。
    1. [初出の実例]「白玉の五百(いほ)つ追度比(ツドヒ)を手に結びおこせむ海人はむがしくもあるか」(出典:万葉集(8C後)一八・四一〇五)
    2. [その他の文献]〔名語記(1275)〕

しゅうシフ【集】

  1. 〘 名詞 〙 多くのものを集めたもの。特に、詩、歌、文章などをあつめた書物。
    1. [初出の実例]「俊蔭のぬしの父式部大輔のしふ、草に書けり」(出典:宇津保物語(970‐999頃)蔵開中)

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普及版 字通 「集」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 12画

(異体字)
28画

[字音] シュウ(シフ)
[字訓] あつまる・つどう・あつめる・なる

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 会意
正字はに作り、(そう)+木。群鳥が木に集まる形。〔説文四上に「群鳥、木上に在るなり」とあり、のち集の字を用いる。〔詩、唐風、鴇羽(はうう)〕「栩(はうく)に集(とど)まる」とあるのが初義。〔詩、大雅、大明〕「に集(な)る」とあるのは、金文の〔毛公鼎〕に「維(こ)れ天、丕(おほ)いに厥(そ)の命を集(な)す」とあるのと同じく、就とその声義が通ずる用法である。鳥の集散する状態によって、ことの成否を卜する鳥占(とりうら)の俗があったのであろう。

[訓義]
1. あつまる、鳥が木に集まる、つどう、とどまる、よりあう。
2. あつめる、やすんずる、ととのう、とまる、いたる。
3. 就と通じ、なる、なしとげる、成功する。
4. と通じ、やわらぐ。

[古辞書の訓]
名義抄〕集 アツム・アツマル・ヲリ・ナラフ・ヒク・ウル・サル・ツク・ナル・イタル 〔字鏡集〕集 アツマル・カナフ・ウル・アツム・ウク・ヤスシ・イタル・ヰル・ナル・アフ

[部首]
部首は。〔説文〕四上に「群鳥なり」とし、(えん)の二字を属する。水鳥などであろう。

[語系]
集()・dzipは同声・雜(雑)dzpは集まり雑わる意。揖tzip、tzhipも集まる意があり、同系の語。就dziukも声近く、通ずる語であろうが、集に鳥占の意があるとすれば、集に本来成就の義があるのであろう。

[熟語]
集英・集腋・集会・集義・集議・集句・集計・集蛍・集散・集矢・集字・集次・集事集聚集抄・集成集鎮集跋・集部・集聯・集録
[下接語]
安集・蝟集・雨集・烏集・雲集・宴集・遠集・家集・歌集・蛾集・会集・外集・翕集・鳩集・凝集・句集・駆集・群集・結集・呼集・交集・採集・纂集・詩集・収集・聚集・集・召集・招集・翔集・新集・集・選集・全集・前集・捜集・総集・叢集・徴集・綴集・特集・比集・赴集・文集・別集・編集・補集・募集・奔集・密集・霧集・来集・集・和集

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世界大百科事典(旧版)内のの言及

【市】より

K.ポランニーによれば,人間社会の歴史全体からみると,生産と分配の過程には,三つの類型の社会制度が存在しており,古代あるいは未開の社会から現代諸社会まで,それらが単一にあるいは複合しながら経済過程の機構をつくってきた。それらは,(1)互酬reciprocity 諸社会集団が特定のパターンに従って相互に贈与しあう,(2)再分配redistribution 族長・王など,その社会の権力の中心にものが集まり,それから再び成員にもたらされる,(3)交換exchange ものとものとの等価性が当事者間で了解されるに十分なだけの安定した価値体系が成立しているもとで,個人間・集団間に交わされる財・サービス等の往復運動,の3類型であり,それぞれの類型は社会構造と密接に連関をもって存在している。市は,この(3)の〈交換〉が成立する社会がつくり出した方式である。…

【私家集】より

…一個人の和歌集を統括的に取り扱う意識から生まれた呼称。ふつう近世以前の歌集についてのみいう。…

※「集」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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