精選版 日本国語大辞典 「退屈」の意味・読み・例文・類語
たい‐くつ【退屈】
〘名〙 (形動)
① くたびれて気力がおとろえること。いやになること。また、そのさま。
※毎月抄(1219)「か様に申せば、又御退屈や候はんずらめなれども」
※太平記(14C後)三四「息をも継がせず戦は令め極めて短気なる坂東勢共などか退屈(タイクツ)せで候べき」
② 何もする事がなくて、暇をもてあますこと。無聊(ぶりょう)で困ること。また、そのさま。つれづれ。
※玉塵抄(1563)三二「客人を物をひろうしにきた者を久う待すれば人がたいくつするぞ」
※人情本・春色梅美婦禰(1841‐42頃)初「人情本の大古板を詮方なしに繰返し、怠屈してぞ居たりける」
③ なすべき事をしないこと。年貢納入、契約履行などの義務を怠ること。緩怠。
※どちりなきりしたん(一六〇〇年版)(1600)九「此けだいといふはでうすの御ほうこうのためにみだりなるかなしひ、たいくつの事なり」
④ 畏縮すること。おそれしりぞくこと。不安になること。
⑤ 困りはてること。閉口すること。また、そのさま。
※中華若木詩抄(1520頃)上「色々胡人がきぶくあたりて退屈させて降参させんとすれどもならぬ也」
※往生要集(984‐985)大文五「得二菩提大利一不レ応レ生二退屈一」
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