暇(読み)ヒマ

デジタル大辞泉 「暇」の意味・読み・例文・類語

ひま【暇/▽閑】

[名]
1 継続する動作などの合間に生じるわずかの時間。「食事をする―もない」「―を見て外出する」
2 事をするための一定の時間。「―のかかる仕事」「手間―」
3 自由に使える時間。なすべきことの何もない時間。「―を持てあます」
4 休暇。休み。「一週間の―をいただく」
5 主従・夫婦などの関係を断つこと。縁を切ること。
[形動][文][ナリ]自由になる時間がふんだんにあるさま。なすべきことの何もないさま。「明日は―だ」「商売が―になる」「―な人」
[類語](3)暇いとま・閑暇かんか・小暇しょうか・小閑しょうかん・寸暇・寸閑・余暇よか・空き・時間/()手透すき・手明き・用無し・閑散・無聊ぶりょう・開店休業・徒然つれづれ・徒然とぜん・手持ち無沙汰・退屈・所在ない・持て余す・寂寥せきりょう・寂寞せきばく・寂しい

いと‐ま【▽暇/×遑】

《「いと」は「いとなし」の「いと」で休みの時、「ま」は間の意》
1 用事のない時間。ひま。「休む―もない」
2 一時的に休むこと。休暇。「三日ほどのお―を乞う」
3 職務を離れること。辞職。また、解雇。ひま。「雇い主に―を願い出る」
4 離縁。離婚。「妻に―を出す」
5 (多く「おいとまする」の形で用いる)別れて去ること。また、そのあいさつ。辞去。「―を告げる」「そろそろお―しよう」
6 喪に服すること。またそのために出仕しない期間。
「御―になり給ひぬれば、藤壺も夜さり罷まかで給ひ」〈宇津保・国譲上〉
7 ある物事をするのに空けることのできる時間。
「仮名文見給ふるは目の―いりて」〈源・若菜上〉
8 すきま。ひま。
「谷風の吹き上げにたてる玉柳枝の―も見えぬ春かな」〈夫木・三〉
[類語]暇ひま・空き・閑暇・小暇しょうか・小閑しょうかん・寸暇・寸閑・余暇よか

か【暇】[漢字項目]

[常用漢字] [音]カ(漢) [訓]ひま いとま
〈カ〉仕事のない時間。仕事のあい間。「閑暇・休暇・賜暇・小暇・寸暇・請暇・余暇」
〈ひま〉「暇人ひまじん/手間暇てまひま」

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「暇」の意味・読み・例文・類語

いと‐ま【暇・遑】

  1. 〘 名詞 〙 ( 元来、物事と、物事との間にできる空白の部分を表わす )
  2. ① 仕事と仕事の間の、何もしないとき。絶え間。有閑期。
    1. [初出の実例]「冬の月に間(イトマ)有らば、以て民を使ふ可し」(出典:日本書紀(720)推古一二年四月(岩崎本訓))
  3. ② 特に、物事から解放されて精神的にものびのびと自由にふるまえるとき。ひま。閑暇。
    1. [初出の実例]「猶名残つれづれにて、心ひとつはいとまある心ちすべかめれば」(出典:枕草子(10C終)三三)
  4. ③ ある物事をするために必要な時間のゆとり。ある物事をするためにあけることのできる時間。てまひま。
    1. [初出の実例]「仮名文見給へるは、目のいとまいりて」(出典:源氏物語(1001‐14頃)若菜上)
  5. ④ 物と物との間の、あいている部分。すきま。とだえ。
    1. [初出の実例]「谷風の吹上にたてる玉柳、枝のいとまも見えぬ春かな〈よみ人しらず〉」(出典:夫木和歌抄(1310頃)三)
  6. ⑤ 喪の忌に服すること。忌引(きび)き。
    1. [初出の実例]「御ぐしおろし給てかくれ給ぬ。〈略〉殿のきみたち、おとども、御いとまになり給ぬれば」(出典:宇津保物語(970‐999頃)国譲上)
  7. ⑥ 仕事、任務、地位から離れること。休暇、退職もしくは解任。
    1. [初出の実例]「『ことなる事なくば、おほやけごとをものせず侍らん』とて、院にいとま申侍りしを」(出典:宇津保物語(970‐999頃)楼上上)
  8. ⑦ 人が離れ去ること。離別。辞去。いとまごい。おいとま。→いとまを告げる。
    1. [初出の実例]「二条院へわたり給はむとて、御いとま聞え給ふ」(出典:源氏物語(1001‐14頃)若菜下)
  9. ⑧ 特に、夫婦が離別すること。離縁。離婚。また、離縁状のこと。
    1. [初出の実例]「いとまをやらふ程に何なりともそなたのほしひ物をとっておかいれ」(出典:虎明本狂言・箕被(室町末‐近世初))
  10. ⑨ 夫婦が離別する時、縁切りのために渡す物品。手切れ。
    1. [初出の実例]「一どならず二どならず、いつもの事といひながら、ひまをやりやうが有。いとまをやったらば、何共なるまひよ」(出典:虎明本狂言・乞聟(室町末‐近世初))
  11. ⑩ この世から離れ去ること。死去。死没。
    1. [初出の実例]「『ここにてはや暇うべし』ときこえけるに」(出典:海道記(1223頃)木瀬川より竹の下)

か【暇・仮】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ① 令制で、官人に給与された休暇のこと。在京の諸司に六日ごとに一日給された定期的な休暇や、農繁期の五月、八月に一五日与えられた田暇、畿外に父母がいる者に与えられた定省暇、血縁者の喪や改葬に当たって与えられた休暇、地方官の任がきれた時の装束暇などがあり、仮寧令(けにょうりょう)に官人の種別に応じて詳細に規定されている。臨時休暇の場合も、請暇解(せいかげ)を出して許可を得た。〔令義解(718)〕
  3. ② 解任、辞任などによって職からはなれること。
    1. [初出の実例]「忠道返二給過状一、朝兼除名、給二身仮一」(出典:御堂関白記‐寛弘六年(1009)七月二五日)

いつ‐ま【暇】

  1. 〘 名詞 〙 「いとま(暇)」の上代の東国方言。
    1. [初出の実例]「我が妻も絵にかきとらむ伊豆麻(イツマ)もが旅ゆくあれは見つつ偲はむ」(出典:万葉集(8C後)二〇・四三二七)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「暇」の読み・字形・画数・意味

暇
常用漢字 13画

[字音] カ
[字訓] いとま・ひま

[説文解字]

[字形] 形声
声符は(か)。は真仮の仮(假)の初文。かりのもの、一時的なものの意があり、また大・遠の意がある。〔説文〕七上に「あるなり」とは、間暇あるをいう。

[古辞書の訓]
〔名義抄〕暇 イトマ・アク 〔立〕暇 イトマ

[熟語]
暇逸▶・暇給▶・暇景▶・暇隙▶・暇遑▶・暇日▶・暇適▶・暇予▶・暇余▶
[下接語]
安暇・逸暇・間暇・寛暇・休暇・公暇・私暇・自暇・書暇・小暇・乗暇・寸暇・請暇・不暇・来暇

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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