デジタル大辞泉
                            「守る」の意味・読み・例文・類語
                    
                
		
            
		
                      
                    も・る【▽守る】
              
                        [動ラ四]
1 見まもる。見張る。番をする。
「見し人のかげすみはてぬ池水にひとり宿―・る秋の夜の月」〈源・夕霧〉
2 そばにいて、まもり育てる。
「殿を二歳の年より今年二十五になり給ふまで―・り奉りて」〈延慶本平家・二末〉
3 すきをうかがう。
「人目―・る我かはあやな花すすきなどかほにいでて恋ひずしもあらむ」〈古今・恋一〉
                                                          
     
            
		
                      
                    まぼ・る【▽守る】
              
                        [動ラ四]
1 「まもる1」に同じ。
「この雪の山いみじう―・りて、わらはべなどに踏み散らさせず」〈枕・八七〉
2 「まもる4」に同じ。
「そもそもかしこに―・りてものせむ、世の中、いとはかなければ」〈かげろふ・下〉
                                                          
     
            
		
                      
                    まぶ・る【▽守る】
              
                        [動ラ四]「まぼる」の音変化。
「わらはが顔をあいつに―・らせうと思うて」〈虎清狂・鏡男〉
                                                          
     
    
        
    出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
	
    
  
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                    ま‐も・る【守・護】
        
              
                        - 〘 他動詞 ラ行五(四) 〙 ( 「目(ま)守(も)る」の意 )
- ① 目を離さないで、じっと見る。見つづける。見守る。見つめる。うちまもる。- [初出の実例]「敢へて進み撃たず、相持(マモル)こと二日一夜」(出典:日本書紀(720)雄略一八年八月(前田本訓))
- 「花のもとには、ねぢ寄り立ち寄り、あからめもせずまもりて」(出典:徒然草(1331頃)一三七)
 
- ② こっそりと様子を見る。動静に注目する。直接目では見えないものについてもいう。また、好機の到来をじっと待つ。うかがう。- [初出の実例]「皮鞋(みくつ)の毱の随(まま)脱け落つるを候(マモリ)て、掌中(たなうら)に取り置ちて」(出典:日本書紀(720)皇極三年正月(岩崎本訓))
- 「下簾のはざまのあきたるより、この男まもれば、わが妻に似たり」(出典:大和物語(947‐957頃)一四八)
 
- ③ おかされたり奪われたりしないようにする。外敵などを防ぐ。保護する。警固する。- [初出の実例]「元より辺賊(ほか)の難を戍(マモル)」(出典:日本書紀(720)天武元年六月(北野本訓))
 
- ④ 特に、神仏が、人々や土地が賊や危険におかされないようにする。守護する。- [初出の実例]「住吉の神、ちかき境を鎮めまもり給」(出典:源氏物語(1001‐14頃)明石)
 
- ⑤ 大切なものとして扱う。見守って世話をする。- [初出の実例]「凡そ諸の僧尼は、常に寺の内に住へ、三宝を護(マモ)れ」(出典:日本書紀(720)天武八年一〇月(北野本訓))
 
- ⑥ 決まり・規則・命令などにきちんと従う。遵守する。- [初出の実例]「或は戒律をまもりて鉢の油をかたぶけず」(出典:観智院本三宝絵(984)下)
 
守るの補助注記
古くから「まぼる」の形もあった。
                                                          
     
            
		
                      
                    まぼ・る【守・護】
              
                        - 〘 他動詞 ラ行四段活用 〙
- ① =まもる(守)①- [初出の実例]「人は目をくはせつつ、いとよく笑みて、まぼりゐたるべし」(出典:蜻蛉日記(974頃)中)
 
- ② =まもる(守)②- [初出の実例]「闚(ひそか)に貼(マホリ)伺ひ視るなり」(出典:法華経玄賛保安三年点(1122))
 
- ③ =まもる(守)③- [初出の実例]「秦の桂林を戍(マボリ)て則ち珠浦に通へりしがこときのみならむや」(出典:大唐三蔵玄奘法師表啓平安初期点(850頃))
 
- ④ =まもる(守)④- [初出の実例]「君が代を百とせづつや八百よろづそこらの神のまぼりまつらん」(出典:重家集(1178))
 
- ⑤ =まもる(守)⑤- [初出の実例]「五には密しく諸根を護(マホラ)む」(出典:不空羂索神呪心経寛徳二年点(1045))
 
- ⑥ =まもる(守)⑥- [初出の実例]「女のいさぎよき道をまほりて」(出典:今鏡(1170)一〇)
 
 
            
		
                      
                    まぶ・る【守・護】
              
                        - 〘 他動詞 ラ行四段活用 〙 ( 「まぼる(守)」の変化した語 )
- ① =まもる(守)①- [初出の実例]「供なりける入道なきかなしみければ、西行つくづくとまぶり」(出典:西行物語(鎌倉中))
 
- ② =まもる(守)②
- ③ =まもる(守)③- [初出の実例]「そのきずをまふりをしむ」(出典:足利本仮名書法華経(1330)一)
 
- ④ =まもる(守)④- [初出の実例]「百王をまふりたてまつらんと云御誓ひ」(出典:撰集抄(1250頃)九)
 
- ⑤ =まもる(守)⑤- [初出の実例]「女房ひとりまぶってゐる男とてはなけれ共」(出典:浄瑠璃・大経師昔暦(1715)上)
 
- ⑥ =まもる(守)⑥- [初出の実例]「詮はまことの道心侍らば、〈略〉只、よぎりなくまふるべきにや」(出典:撰集抄(1250頃)一)
 
 
            
		
                      
                    も・る【守】
              
                        - 〘 他動詞 ラ行四段活用 〙 ( 目を離さず見続ける意 )
- ① 入口などにいて外敵や獣の侵入を防いだり、異変を他に知らせたりする。番をする。見張る。まもる。- [初出の実例]「大君の境賜ふと山守おき守(も)るといふ山に入らずは止まじ」(出典:万葉集(8C後)六・九五〇)
 
- ② そばにいて常に安全であるように取り計らう。守護する。まもる。- [初出の実例]「筑波嶺の彼面此面(をてもこのも)に守部据ゑ母い毛礼(モレ)ども魂そ逢ひにける」(出典:万葉集(8C後)一四・三三九三)
 
- ③ いつも見ていて隙をうかがう。- [初出の実例]「心なき雨にもあるか人目守(もり)ともしき妹に今日だに逢はむを」(出典:万葉集(8C後)一二・三一二二)
 
 
    
        
    出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
	
    
  
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