消す(読み)ケス

デジタル大辞泉 「消す」の意味・読み・例文・類語

け・す【消す】

[動サ五(四)]
1 燃えている火をなくならせる。「たき火を―・す」「ろうそくを吹いて―・す」
2 電気機器のスイッチを切ったり、ガス栓をひねったりして、その働きを止める。「電灯を―・す」「ガスを―・す」
3
㋐ぬぐったり塗ったりして、今まで見えていたものを見えなくする。「黒板の字を―・す」「壁の落書きを―・す」
㋑姿を見えなくする。行方をくらます。「忽然こつぜんと姿を―・す」
4
㋐今まであったものを取り去ってなくす。存在や形跡をなくす。「証拠を―・す」「痛みを―・す薬」
㋑吸収するようにして、音やにおいなどをなくす。「話し声が騒音に―・される」「魚の臭みを生姜しょうがで―・す」
5 否定する。うちけす。
「何か手懸りは有りそうなものだねと、お京の言うを―・して」〈一葉・わかれ道〉
6 空いた時間を費やす。時間をつぶす。月日を過ごす。
「それ迄は何処どこかに時間を―・さなければならぬ」〈森田草平・煤煙〉
7 殺す。「裏切者は―・せ」
8 歌舞伎の用語。
㋐下座音楽をしだいに弱めていって止める。
㋑黒子などが舞台で不必要になったものを片付ける。
9 非難する。けなす。
「その話は古いぞ古いぞと―・されければ」〈咄・露がはなし・一〉
10 (「肝きもをけす」の形で)非常にびっくりする。肝をつぶす。
「沖に釣する舟をば敵かたきの舟かと肝を―・し」〈平家・灌頂〉
[可能]けせる
[類語](1)消し止める・消火する・鎮火する・揉み消す・掻き消す・吹き消す・消える/(3㋐)抹消する・抹殺する・塗抹する/(4)消去する・消却する・消除する・消散する・払拭ふっしょくする・ぬぐい去る/(7)殺す

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「消す」の意味・読み・例文・類語

け・す【消】

  1. 〘 他動詞 サ行五(四) 〙
  2. ① 火の燃焼をとめる。
    1. [初出の実例]「其の火を滅(ケシ)たまふに」(出典:百法顕幽抄平安中期点(900頃))
  3. ② なくす。除き去る。
    1. [初出の実例]「悪夢悉く皆無けむ。及諸の毒害を消(ケサ)む」(出典:西大寺本金光明最勝王経平安初期点(830頃)九)
  4. ③ 貸借を清算する。帳消しにする。また、勘定を支払う。
    1. [初出の実例]「その化け物を退治たら、店賃(たなちん)は消(ケ)して、遣(や)らないよ」(出典:歌舞伎・盟三五大切(1825)大詰)
  5. ④ ( 「肝を消す」の形で ) 心の落ち着きを失う。非常にびっくりする。
    1. [初出の実例]「沖につりする船をば敵の船かと肝をけし」(出典:平家物語(13C前)灌頂)
  6. ⑤ 字や絵などを塗りつぶしたり削りとったりして見えなくする。
    1. [初出の実例]「ジヲ qesu(ケス)」(出典:日葡辞書(1603‐04))
  7. ⑥ けなす。くさす。
    1. [初出の実例]「そしるもけすも無案内なる者共己れが贔屓の人をほむれば」(出典:甲陽軍鑑(17C初)品一三)
  8. ⑦ 言うことを否定する。
    1. [初出の実例]「今云ふた事は眠たなぐさみ、たは事なりとけしてまはれば」(出典:浮世草子・新色五巻書(1698)三)
  9. ⑧ 殺す。
    1. [初出の実例]「幸ひ傍(あた)りに人もなし、いっそ、手短かに消(ケ)して仕舞うかい」(出典:歌舞伎・桑名屋徳蔵入船物語(1770)三)
  10. ⑨ 金、銀などの箔(はく)をかぶせる。めっきする。
    1. [初出の実例]「ハク、または、デイヲqesu」(出典:日葡辞書(1603‐04))
  11. ⑩ 時間を費やす。時間をつぶす。
    1. [初出の実例]「竹院に君閑かにして永日を銷(けす)ならん 花亭に我酔うて残んの春を送る〈白居易〉」(出典:和漢朗詠集(1018頃)上)
  12. ⑪ 電灯、ラジオ、テレビ、ガスなどのスイッチをきる。
    1. [初出の実例]「パッと電気を消され」(出典:竹沢先生と云ふ人(1924‐25)〈長与善郎〉竹沢先生と虚空)
  13. ⑫ 身をかくして見えないようにする。いなくなる。行方をくらます。
    1. [初出の実例]「小児演技(こどもしばゐ)の忠臣義士を煙に巻いて、姿を消した旅僧が」(出典:日本橋(1914)〈泉鏡花〉六三)

しょう‐・すセウ‥【消・銷】

  1. 〘 自動詞 他サ行変格活用 〙 ⇒しょうする(消)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

菊の節供,九月節供,重九 (ちょうく) ともいう。五節供の一つ。旧暦9月9日の節供で,奈良時代より,宮中では天皇が紫宸殿に出御し,群臣に宴を賜わり詩歌文章をつくらせる菊花の宴が行われ,年中行事となった...

重陽の用語解説を読む