神奈川県(読み)カナガワケン

デジタル大辞泉 「神奈川県」の意味・読み・例文・類語

かながわ‐けん〔かながは‐〕【神奈川県】

神奈川

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精選版 日本国語大辞典 「神奈川県」の意味・読み・例文・類語

かながわ‐けんかながは‥【神奈川県】

  1. 関東地方南部の県。かつての相模国と武蔵国の一部から成る。明治四年(一八七一)の廃藩置県により成立。同九年足柄県の六郡を含め、同二六年多摩三郡を東京府に移して、同四五年現在の県域が定まる。県庁所在地は横浜市。

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日本歴史地名大系 「神奈川県」の解説

神奈川県

神奈川の地名は、鶴岡八幡宮文書にある文永三年(一二六六)五月二日の北条時宗下文(県史一)に「鶴岡八幡宮領武蔵国稲目・神奈河両郷役夫工米事」とみえる。この「神奈河郷」は横浜市神奈川区の東南部にあたり、「金川」と記されることもあり、近世は東海道神奈川宿が形成されている。幕末のペリー来航により欧米五ヵ国と締結した修好通商条約に開港場として「神奈川」が記された。江戸幕府は交通繁多な神奈川開港を望まず、神奈川を拡大解釈して武蔵国久良岐くらき郡横浜村(現横浜市中区)を出島化して開港場とし、管轄する外国奉行神奈川奉行と改め、同奉行所を設置した。明治維新後、神奈川奉行所は明治政府により神奈川裁判所に編成替えされ、次いで神奈川府となり、明治元年(一八六八)九月神奈川県となった。

現在の神奈川県は近世までの武蔵国三郡(橘樹郡・都筑郡・久良岐郡)と相模国とからなっている。

自然環境

日本列島のほぼ中央、関東地方の西南端に位置する。東は東京湾を隔てて千葉県に対し、南は相模湾に臨み、東南部は三浦半島が太平洋に突出して両湾を分け、西南は箱根外輪山で静岡県、西は丹沢たんざわ山塊で山梨県、北は関東平野に連なり東京都に接する。津久井つくい藤野ふじの町北端北緯三五度四〇分四〇秒から三浦市じようしま南端北緯三五度七分、川崎市川崎区東端東経一三八度五七分五〇秒から足柄上あしがらかみ山北やまきた町西端東経一三九度四七分三三秒の間にわたっている。県域総面積二四〇〇・六六平方キロで、都道府県別面積では下位から四位にある。

地形は複雑で、東部丘陵・中央低地・西部山地に大別される。東部丘陵地域は、多摩川とさかい川の間にある東京都八王子市から川崎市・横浜市に連なる標高一〇〇メートル以下の多摩丘陵とその南に続く標高一〇〇―二〇〇メートルの三浦半島の丘陵と、多摩丘陵東南の低台地の下末吉しもすえよし台地、多摩川下流の氾濫原の多摩川低地からなる。中央低地地域は、県中央部を南流する相模川北部の河成台地である相模原台地愛甲あいこう台地と、相模川南部に広がる相模平野と藤沢市から平塚市にかけて相模湾岸に連なる湘南しようなん砂丘帯からなる。西部山地地域は、西北部の県内最高峰のひるヶ岳(一六七二・七メートル)を中心に丹沢山(一五六七・一メートル)とうノ岳(一四九〇・九メートル)檜洞丸ひのきぼらまる(一六〇一メートル)・大山(一二五一・七メートル)などが連なる標高六〇〇メートル以上の山地を本体とする丹沢山塊と西南部、中央火口丘にあるかみ(一四三八・二メートル)を最高峰とする日本の代表的三重式火山の箱根山地と丹沢山塊南部から相模湾にかけて秦野はだの盆地と大磯丘陵が連なり、その西側酒匂さかわ川扇状地に足柄平野が広がる。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「神奈川県」の意味・わかりやすい解説

神奈川〔県〕
かながわ

面積 2416.11km2
人口 923万7337(2020)。
年降水量 1688.6mm(横浜市)。
年平均気温 15.8℃(横浜市)。
県庁所在地 横浜市
県木 イチョウ
県花 ヤマユリ
県鳥 カモメ

関東地方南西部,相模湾と東京湾にのぞむ県。北西部は丹沢山地が占め,その南には西から箱根山地,酒匂 (さかわ) 川の足柄平野,秦野盆地と大磯丘陵が続く。中央を相模川が南流し,県では最大の相模平野がある。その東には相模原台地,境川をはさんで東部は多摩丘陵が占める。南東部の三浦半島によって相模湾と東京湾に分けられる。太平洋岸気候で,特に相模湾岸の湘南地方は気温の年較差が小さい温和な気候に恵まれる。かつての相模国および武蔵国の一部から成る。鎌倉は中世鎌倉幕府がおかれた地であり,横浜は幕末の開国後,文明開化の窓口であった。工業が盛んで,出荷額は東京都,大阪府と並ぶ。川崎市,横浜市の東京湾岸はほぼ全域が埋立て地で,工場の専用埠頭が続き,石油化学,鉄鋼,造船など重化学工業の大工場が多い。工業地域は三浦半島の横須賀市,JR東海道本線沿いの湘南地方東部,内陸の相模原台地,相模平野に広がり,電機,自動車,機械などを製造。また足柄平野には豊富な地下水を利用するフィルム工場などがある。東京湾岸は,輸出入額で日本一の横浜港があるほか,川崎港,旧軍港の横須賀港がある。農業は野菜や果樹の栽培,酪農,養鶏,養豚などがあり,西部の丘陵地ではミカン,三浦半島南部ではダイコン,スイカ栽培が行われる。漁業は三浦市の三崎を根拠地とするマグロの遠洋漁業が知られる。湘南地方は明治期から保養地,別荘地となり,第2次世界大戦後は住宅地となった。多摩丘陵,相模原台地では東京と直結する私鉄沿いに 1950年代から大規模な宅地開発が行われ,人口が急増している。横浜駅東口から桜木町にかけての臨海部 186万m2には,日本一の超高層ビルである横浜ランドマークタワー (296m) ,コンベンションセンター,超大型観覧車コスモクロック 21,横浜美術館などが立地する「みなとみらい 21」地区がある。観光資源も豊富で,日本最大の温泉郷でもある箱根山,その南の湯河原温泉,登山とハイキングの丹沢山地,海水浴と江の島の湘南地方,リアス海岸の三浦半島と城ヶ島,寺社の多い鎌倉,開国の史跡と港の風光に富む横浜,相模川上流の相模湖,津久井湖などがあり,観光客数は全国一である。

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事典 日本の地域ブランド・名産品 「神奈川県」の解説

神奈川県

関東地方南西部に位置する県。東部は東京湾、南部は相模湾に面する。西部に山地、中央部に平野と台地、東部に丘陵と沿岸部と大きく3つの地形に分けられる。温暖で雨量の多い太平洋側の気候。第1次産業の就労者数が少なく、第3次産業の就労者数が多い。県花は、やまゆり。県木は、いちょう。県鳥は、かもめ。

[神奈川県のブランド・名産品]
足柄牛 | 足柄茶 | 大山菜 | 大山の豆腐 | 小田原蒲鉾,小田原かまぼこ | 小田原漆器 | 小田原ひもの | 鎌倉彫 | 川崎大師の久寿餅 | 高座豚 | 相州落花生 | 多摩川の梨 | 丹沢のさくら漬 | 箱根寄木細工 | 葉山牛 | 松輪サバ | 三浦だいこん | 三崎マグロ | やまゆりポーク | 横濱ビーフ

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「神奈川県」の解説

神奈川県
かながわけん

関東地方の南部に位置する県。旧相模国全域と武蔵国の一部を県域とする。幕末には相模国に小田原藩・荻野山中(おぎのやまなか)藩,武蔵国に金沢藩がおかれた。1868年(明治元)神奈川奉行支配地に横浜裁判所がおかれ,神奈川裁判所,神奈川府,神奈川県と短期間に改称。旧韮山(にらやま)代官領は韮山県の管轄となった。翌年金沢藩は六浦(むつうら)藩と改称。71年廃藩置県後の11月神奈川県は六浦県を合併し,相模国鎌倉・三浦の2郡,武蔵国久良岐(くらき)・都筑(つづき)・橘樹(たちばな)の3郡と多摩郡の一部を管轄。他の小田原・荻野山中・韮山の3県は足柄県に統合された。76年足柄県が廃され,相模7郡を神奈川県に編入,伊豆国を静岡県へ移管した。93年多摩3郡を東京府へ移管し,現県域が定まった。県庁所在地は横浜市。

出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報

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