デジタル大辞泉 「荒唐無稽」の意味・読み・例文・類語 こうとう‐むけい〔クワウトウ‐〕【荒唐無稽】 [名・形動]言動に根拠がなく、現実味のないこと。また、そのさま。「荒唐無稽な小説」[類語]嘘・偽り・法螺・そら・嘘っぱち・嘘八百・虚偽・偽善・まことしやか・もっともらしい・二枚舌・はったり・虚・虚言・でたらめ・出任せ・出放題・事実無根・根も葉もない・虚辞・そら言・そら音 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「荒唐無稽」の意味・読み・例文・類語 こうとう‐むけいクヮウタウ‥【荒唐無稽】 〘 名詞 〙 ( 形動 ) 言動に根拠がなくて、とりとめもないこと。でたらめであること。また、そのさま。荒唐不稽。[初出の実例]「羅(らう)マンスは趣向を荒唐無稽(クヮウトウムケイ)の事物にとりて奇怪百出もて編をなし」(出典:小説神髄(1885‐86)〈坪内逍遙〉上) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
四字熟語を知る辞典 「荒唐無稽」の解説 荒唐無稽 話の内容などが、でたらめでばかばかしいこと。 [活用] ―な。 [使用例] 江分利には、父のアイディアがいつも全く荒唐無稽なものだったとも思われない。むしろ、ちょっと実現性がありそうな所もあって、そこへ弁舌がたつから、多くの人がヒッカカリ、傷つき、父も借金を増やしてきたのだった[山口瞳*江分利満氏の優雅な生活|1963] [使用例] なぜ弟子たちはたち直ったのか。なぜ弟子たちは荒唐無稽な、当時の人々も嘲ちょう笑しょうした復活を事実だと主張しつづけたのか[遠藤周作*イエスの生涯|1973] [使用例] 森田君が死んだ? まるで現実味がなかったが、目の前のカズの状態を見ると、荒唐無稽! と笑い飛ばすわけにはいかなかった[伊坂幸太郎*ゴールデンスランバー|2007] [解説] 「荒唐無稽な話」を「形のない話」のことだと思っていた人がいます。「無稽」を「無形」と誤解していたのです。ネットでも「口頭無形」などの当て字を書いている人がいます。 「荒唐無稽」とは、要するに「でたらめ」のことです。ただ、この漢字のどこからその意味が出てくるのか、直感的に理解するのは難しいかもしれません。 もともと、「荒」「唐」には「広い、大きい」さらには「中身がない」という意味があります。また、「稽」には「考える」の意味があり、「無稽」は「まともに考えていない」という意味になります。 「中身がなくて(荒唐)、まともに考えていない(無稽)」から「でたらめ」です。これで理屈が通りました。 「荒唐無稽」の漢字の意味を知らなくても、このことばは十分使えます。ただ、「口頭無形」と書くべきでない理由を説明するためには、漢字のもとの意味を知っておいたほうがいいでしょう。 出典 四字熟語を知る辞典四字熟語を知る辞典について 情報