デジタル大辞泉
「多」の意味・読み・例文・類語
さわ〔さは〕【▽多】
[形動ナリ]多いさま。たくさん。
「草深みこほろぎ―に鳴くやどの」〈万・二二七一〉
た【多】
1 多いこと。また、多いもの。
2 勝ること。重んじること。
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おお・い おほい【多】
〘形口〙 おほ・し 〘形ク〙 数量が大である。たくさんである。また、程度が大きい。⇔
少ない。→
多く。
※万葉(8C後)一五・三七五九「たちかへり泣けども吾(あれ)はしるし無み思ひわぶれて寝る夜しそ於保伎(オホキ)」
※源氏(1001‐14頃)若菜下「つぎつぎ数知らずおほかりけるを、何せむにかは聞きおかむ」
※
無名抄(1211頃)「国々の歌枕、数も知らずおほかれど、其歌の姿にしたがひてよむべき所のある也」
おお‐さ
〘名〙
おおく おほく【多】
① 数量の豊富な様子。たくさん。多数。
※源氏(1001‐14頃)桐壺「朝廷(おほやけ)よりも、おほくの物たまはす」
② 全体の中で、すべてとは言えないがそれに近い部分。
大部分。ほとんどの物事。
※源氏(1001‐14頃)柏木「
陰陽師なども、おほくは女の霊とのみうらなひ申しければ」
③ 少数の特別な存在を除いた平均的な全体。普通。一般。
※大鏡(12C前)三「さしぬきのこしぎはなども、さはいへど、おほくの人よりはけだかく」
た【多】
〘名〙
※
正法眼蔵(1231‐53)古鏡「多にあらず大にあらず」
※日本の
下層社会(1899)〈横山源之助〉三「人数の多を占むる下層社会に意を置くことをせず」 〔論語‐子罕〕
② まさっていること。〔礼記‐檀弓上〕
③ ほめること。重んずること。感謝すること。→
多とする
まね・し【多】
〘形ク〙 度数が多い。度(たび)重なっている。頻繁(ひんぱん)である。さまねし。
※
続日本紀‐天応元年(781)四月三日・宣命「天下をも
乱り、己が氏門をも滅ぼす人等麻禰久
(マネク)在り」
おお・かり おほかり【多】
(形容詞の連用形「多く」に動詞「あり」の付いた「多くあり」の変化したもの) 多くある。→
多い。
[補注]中古の特に和文では「多し」の形が用いられず、「
多かり」が用いられた。
おおけ‐く おほけ‥【多】
※
古事記(712)上・歌謡「いちさかき 実の意富祁久
(オホケク)を こきだひゑね」
おおし・い おほしい【多】
〘形口〙 多い。重大である。大したことである。
※雲形本狂言・
八句連歌(室町末‐近世初)「おほしい事でもない程に、ゆるしてつかはさうと存る」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
多
たね
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報