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アドレナリン アドレナリンadrenalin

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

アドレナリン
adrenalin

エピネフリン epinephrineエピレナミン epirenaminともいう。副腎髄質ホルモンの一種。融点 211~212℃ (分解) 。 1901年に高峰譲吉が発見した。白色粉末で空気酸化を受け褐色になる。インスリンと反対に血液中の糖の濃度を高める作用を示す。交感神経刺激剤として用いる。

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百科事典マイペディアの解説

アドレナリン

副腎髄質ホルモン。1901年高峰譲吉副腎から抽出,結晶化に成功した最初のホルモン。化学的にはカテコールアミンの一種。水やその他の溶媒にも溶けにくいが,塩の形では水に溶けやすい。
→関連項目アクセルロッドアセチルコリンオイラー仮性クループクロルプロマジン止血薬ドーパミン肥満抑制遺伝子副腎

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生活習慣病用語辞典の解説

アドレナリン

副腎から分泌されるホルモンで、交感神経の伝達物質の 1 つでもあります。ストレス反応の中心的役割を果たし、心拍数を上げ、瞳孔を開き、血糖値を上げるなどの作用があります。

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世界大百科事典 第2版の解説

アドレナリン【adrenaline】

高峰譲吉によって結晶形として得られた最初のホルモン。エピネフリンepinephrineとも呼ばれ,芳香族アミノ酸から生成されるアミン類であるカテコールアミンcatecholamineの一つ。1896年,イギリスのオリバーG.OliverとシェーファーE.A.Schäferらは副腎から血圧上昇物質を抽出,これをエーベルJ.J.Abelがベンゾイル化合物として単離し,エピネフリンと命名した。1901年,高峰譲吉とアルドリヒT.B.Aldrichが相前後して結晶化に成功,高峰はこれをアドレナリン(当時,特許名)と命名した。

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大辞林 第三版の解説

アドレナリン【adrenaline】

カテコールアミンの一。副腎髄質から分泌されるホルモン。血糖量を高める作用をもち、インシュリンと拮抗きつこう的に働いて血糖量の調節を行う。また、心臓の働きを強めて血圧を上げ、気管を拡張させる。1901年(明治34)高峰譲吉が結晶化に成功。強心剤・止血剤・喘息ぜんそく鎮静剤として利用。エピネフリン。 → ノルアドレナリン

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

アドレナリン
あどれなりん
adrenaline

副腎(ふくじん)髄質ホルモンとしての作用をもつカテコールアミン(神経伝達物質。脳、副腎髄質および交感神経に存在する生体アミンの総称)の一種。1901年(明治34)に高峰譲吉が副腎髄質adrenal medullaから分離した塩基性物質。分子式はC9H13O3Nで、ホルモンとしては最初に分離精製、結晶化された。エピネフリンepinephrineともよばれ、医薬品ではエピレナミンという。天然に存在するのは左旋性のL型で、有機合成された右旋性D型のものより15倍も生理活性が強い。メチル基のないノルアドレナリン(ノルエピネフリン)は副腎髄質以外の組織からも分泌されるが、その活性はアドレナリンよりも弱い。どちらもカテコールの誘導体であるため、カテコールアミンと総称される。
 アドレナリンは生体内でチロシンから、ドーパ(DOPA。ジオキシフェニルアラニン)、ドーパミン、ノルアドレナリンを経て生合成される。分解は、ヒドロキシ基がメチル化され、生理活性を失ってからアミン酸化酵素により行われる。副腎髄質と脳以外の組織に含まれるアドレナリンはその組織中で生合成されたものではなく、ほとんど血中のアドレナリンを取り込んだものである。血漿(けっしょう)中ではアドレナリンの70%は硫酸塩に抱合(結合)している。硫酸抱合体は不活性でそれらの機能はわかっていない。アドレナリンは白色粉末で、酸化されると褐色になる。
 副腎髄質から分泌されたアドレナリンはホルモンとして血中に入り、標的細胞膜に存在するアドレナリン受容体に結合する。一方、アドレナリン作用性神経終末から神経伝達物質として遊離されたものはシナプス間隙(かんげき)を拡散して、シナプス後膜に存在するアドレナリン受容体と結合する。活性化された受容体は細胞内情報伝達系を介して、標的細胞にさまざまな生理反応を誘発する。
 アドレナリン受容体にはα(アルファ)受容体とβ(ベータ)受容体の2種があり、αにはα1およびα2にそれぞれ3分子種が、βにはβ1、β2に加えてβ3が存在する。α1受容体はシナプス後性α受容体で、末梢では効果器に存在する。α1受容体が刺激されると血管平滑筋が収縮する。α1選択的拮抗薬プラゾシンは高血圧治療薬として使われる。α2受容体はアドレナリン作動性神経のシナプス前膜にあってノルアドレナリンの神経終末からの遊離を阻止する。β1受容体は心筋、脂肪細胞膜に存在し、心機能や脂肪分解を促進する。β2受容体は肺、肝臓、平滑筋に存在し、平滑筋弛緩やグリコーゲンの分解をおこす。β3受容体は脂肪細胞、心筋、血管平滑筋に存在し、刺激によってリパーゼの活性化を誘発し、脂肪を加水分解する。
 医薬品としては交感神経興奮剤、血管収縮剤、血圧上昇剤として使われ、出血を止め、気管支喘息(ぜんそく)の発作を抑える。注射剤、塗布剤、スプレー剤などがある。繁用すると、不安、頭痛、心悸亢進(しんきこうしん)、不眠などの副作用が現れる。[小泉惠子]
『日本生化学会編『新 生化学実験講座9 ホルモン2 非ペプチドホルモン』(1992・東京化学同人) ▽飯沼和正・菅野富夫著『高峰譲吉の生涯――アドレナリン発見の真実』(2000・朝日新聞社) ▽宮崎瑞夫編『薬物受容体と疾患――薬物治療の理論と実際』(2002・医薬ジャーナル社) ▽植松俊彦他編『シンプル薬理学』改訂版(2004・南江堂) ▽田中千賀子他編『NEW薬理学』(2007・南江堂)』

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世界大百科事典内のアドレナリンの言及

【強心薬】より

…排出が遅く蓄積性を示すものもある。
[カテコールアミン類]
 アドレナリンなど分子構造にカテコールをもったアミンをカテコールアミンというが,本来は副腎から分泌される内因性のホルモンであるアドレナリンや,交感神経の伝達物質であるノルアドレナリンは強心作用をもつ。これらの物質は体内で速やかに分解されるので作用は短時間である。…

【自律神経系】より

…1本の節前繊維は終末部で多数の枝分れを示し,交感神経節内における多数の節後ニューロンに対してシナプス伝達を行う。 交感神経系の節前ニューロンはアセチルコリン作動性であり,節後ニューロンはノルアドレナリン作動性である。したがって交感神経節内でシナプス伝達がなされるとき,アセチルコリンが節前繊維末端から放出されて節後ニューロンの興奮が引き起こされるのであるが,その結果としてのノルアドレナリン放出も少し遅れて起こり,これが節前繊維の活動を抑制させることが知られている。…

【自律神経薬】より

…交感神経興奮薬,交感神経遮断薬,副交感神経興奮薬,副交感神経遮断薬,自律神経節興奮薬,自律神経節遮断薬などが含まれる。
[交感神経興奮薬sympathomimetic agent]
 交感神経の興奮は,興奮によって神経の終末から放出されるノルアドレナリン(ノルエピネフリン)が,効果器細胞上のアドレナリン作動性受容体と結合することによって伝達される。アドレナリン作動性受容体は,アルファ受容体(α受容体)とベータ受容体(β受容体)とに分類されており,器官によって両者の比率に差があると考えられる。…

【鎮咳薬】より

…一方去痰薬(きよたんやく)は,痰の排出を促進し,気道粘膜に対する刺激をやわらげて咳の発生を抑える。またアドレナリン,エフェドリンなどの気管支拡張薬は,気管支筋を弛緩させて内腔を広げ,痰の排出を容易にしたり咳の気流を減速したりして咳を弱める。しかし一般には,これらは鎮咳薬とは別に分類される。…

【副腎】より

…すなわち,皮質は中胚葉性の体腔上皮に由来し,髄質は外胚葉性の神経に由来し,胎児期に皮質原基内に髄質原基が侵入して一つの器官としての副腎を形成する。皮質からは,電解質や糖代謝に関与する多種類の皮質ホルモンや男性ホルモンが,髄質からは,アドレナリンやノルアドレナリンが分泌される。肉眼的にも,新鮮な副腎の切断面では,皮質は脂肪のためにやや黄色みを帯び,髄質は赤褐色であり,容易に区別される。…

※「アドレナリン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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