ウルトラ‐マリン
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輿地誌略(1826)三「亜爾抜斯多 白色石 育爾多剌瑪隣
(ユルトラマリン) 青石、顔料とす」
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デジタル大辞泉
「ウルトラマリン」の意味・読み・例文・類語
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ウルトラマリン
ultramarine
群青(ぐんじよう)ともいい,紺青(こんじよう)(プルシアンブルー)とともに代表的な青色無機顔料である。硫黄を含むアルミノシリケート錯体の微粒子で,分子構造には定説はないが,一例としてNa8(Al6Si6O24)S₍2~4₎が提唱されている。光,熱,溶媒,アルカリに対して強いが,紺青と対照的に酸に対して弱くH2Sを発生して分解退色する。カオリン,ソーダ灰,硫黄,木炭または石炭(還元剤)をるつぼに入れ,密閉して750~850℃に40~50時間加熱して製造する。印刷インキ,塗料,絵具,クレヨン,ゴムおよびプラスチックの着色,合成洗剤の青みづけに用いられる。
執筆者:新井 吉衞
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ウルトラマリン
ultramarine blue
絵具の色名の一つ。中世頃から,天然鉱石のラピス・ラズリを粉砕してつくった青色顔料。天然のものは中央アジア,中近東に産し,ヨーロッパではきわめて高価であった。 1824年フランス政府はこれに代る人工顔料の発明を奨励し,26年 J.ギメーが,続いて L.グメリンらが合成法を案出した。人工のものの組成はケイ酸アルミニウムナトリウムと硫化ナトリウムの複塩 Na10Al6Si6O24・Na4S2 で,やや赤みを感じる青色を呈する。同じ組成でも処理法によって色相のやや異なるものもつくりうる。油絵具としては普通ライトとディープがある。透明性も被覆力もあり,酸には弱いがアルカリや硫化ガスに対しては安定している。
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「ウルトラマリン」の意味・わかりやすい解説
ウルトラマリン
群青(ぐんじょう)とも。紺青(こんじょう)とともに多量に用いられる青色無機顔料。印刷インキ,紙,ゴム,プラスチックなどの着色・青みづけに使用。アルカリに対して抵抗力があるが,酸には弱い。
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世界大百科事典(旧版)内のウルトラマリンの言及
【顔料】より
…有機顔料は一般に毒性が小さい。無機顔料の生産量は有機顔料に比べ非常に大きく,日本工業規格(JIS)に規定されている無機顔料は,亜鉛華,鉛白,リトポン,カーボンブラック,鉛丹,べんがら,黄鉛(クロムイェロー),群青(ウルトラマリン),紺青,亜鉛黄(ジンククロメート),沈降性硫酸バリウム,およびバライト粉,二酸化チタンの12品目である。次に代表的無機顔料を色別にあげる。…
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