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コークス コークス coke

翻訳|coke

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

コークス
コークス
coke

粘結炭を約 1000℃で乾留してその揮発分の大部分を石炭ガスとして放出したあとに残る固体燃料。灰分を含んだ多孔質の炭素質で,骸炭ともいう。製鉄用コークスは大部分,製鉄会社が自家生産し,溶鉱炉に用いられて,鉱石の溶解に必要な熱を供給し,鉱石の還元に必要な一酸化炭素を発生する。

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デジタル大辞泉の解説

コークス(〈ドイツ〉Koks)

石炭を高温乾留して得られる、多孔質で硬い炭素質の固体。火つきは悪いが無煙燃焼し、火力は強い。製鉄その他の鋳物やカーバイド製造の原料、燃料などに用いる。骸炭(がいたん)。

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百科事典マイペディアの解説

コークス

石炭の高温乾留石炭乾留)で得られる灰黒色の炭素質固体。乾燥状態での組成は炭素80〜90%,水素1〜1.5%,窒素0.5〜1%,酸素0.4〜0.7%,硫黄0.5〜1.0%,灰分5〜15%(重量%)。
→関連項目アンモニアソーダ法コークス炉コールタール石炭石炭化学石炭化学工業竪窯電気製銑粘結炭発生炉ガスパドル法無定形炭素

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世界大百科事典 第2版の解説

コークス【coke】

石炭または石油から生産される炭素を主要成分とする固体で,燃料,鉄鉱石の還元,炭素材料の製造などに用いられる。ふつう単にコークスといえば,石炭の高温乾留で得られるものをさし,石炭の低温乾留で得られるものは半成コークスsemicokeあるいはコーライトcoalite呼ばれる(乾留)。半成コークスは火つきがよく燃えやすい家庭用無煙炭として利用されたが,現在,石炭の低温乾留はほとんど行われていない。また,石油から得られるコークスは,とくに石油コークスと呼ばれる。

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大辞林 第三版の解説

コークス【Koks】

石炭を高温で乾留して揮発分を除いた灰黒色・多孔質の固体。発熱量が大きく、燃料として重要。また、冶金やガスの製造などにも用いる。骸炭がいたん

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

コークス
こーくす
coke

広義には有機物を、空気を遮断して加熱(乾留)したとき、揮発分が出たのちに残る炭素質の物質の総称。狭義には石炭の高温乾留によって生成する団塊状の炭素質物質をさし、低温乾留によるものは低温コークスといって区別することが多い。
 コークスが初めて工業的規模で用いられたのは製鉄用で、おもに溶鉱炉の燃料としてであった。ヨーロッパでは14世紀ごろすでに、水車を動力、木炭を燃料とする溶鉱炉が出現していたが、森林資源の枯渇を招いたために、石炭を代替燃料とする試みが各地で繰り返された。しかし石炭は溶鉱炉内で軟化溶融したり、粉化するために通気性が悪化して、安定操業は困難であった。あらかじめコークス化したのち溶鉱炉に入れる方式を開発したのはイギリスのA・デービー父子で、1735年に初めてコークスのみによる製鉄に成功した。当時のコークス製造は、野原に石炭を積み上げて粉コークスなどで覆い、火をつけて蒸し焼きにする原始的な方法で、ガスやタールは大気中に放散されていた。イギリスのW・マードックは鉄製レトルトを用いて石炭ガスを利用する方式を考案し、1811年にはロンドンに街灯がともった。その後、都市ガス製造を主目的とする各種のコークス炉が開発されたが、当時、タールやコークスはあまり価値のない副産物にすぎず、これらが化学工業原料としてもてはやされるようになったのは19世紀末になってからである。
 日本では第二次世界大戦後、ガス化学工業の原料が石油系に転換したために、現在のコークス炉の主製品は冶金(やきん)用(製鉄用および鋳物用)コークスに限られている。製鉄用コークスは灰分・硫黄(いおう)分が低く、強度の高いものが要求されるために、原料炭の種類・性状には制約があるが、戦後の日本ではアメリカ、カナダ、オーストラリアなど世界各国から輸入した多くの銘柄炭を多種配合することによって、安価でかつ良質のコークスを製造している。この際、軟化溶融性に富む国内炭(三池(みいけ)、夕張(ゆうばり)炭など)が優れた粘結材として作用するために、輸入炭の銘柄選択の自由度が大きくなる利点があった。しかし、国内炭の生産は1961年(昭和36)をピークに急激に減少し、2000年(平成12)に生産が終了したため、国内炭の利用はなくなった。現在の製鉄用コークスは、灰分11~12%、硫黄分1%以下、発熱量1グラム当り7000カロリー程度で、固く、粉化しにくいものが用いられている。溶鉱炉内におけるコークスの役目は、熱源、還元ガス源、通気維持材の三つであり、前二者は気体あるいは液体燃料で代替できるが、三者を兼ね備えた燃料はコークス以外にはない。溶鉱炉製銑法が続く限りコークスの需要はなくならないと考えられているのは、この理由による。[宮津 隆]

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世界大百科事典内のコークスの言及

【乾留】より

…石炭,木材,ピッチなどの固体有機物を,空気の流通を断って熱分解する操作をいう。これによって可燃性のガスや液体とともに,コークスや木炭が得られる。ここでは石炭および木材の乾留について述べよう。…

【製鉄・製鋼】より

…製鉄工程を酸素の変化として示したものが図1である。すなわち,鉄鉱石は初め(A点)は酸素を約30重量%含むが,高炉(あるいは電気製銑炉)でコークスにより還元されB点(酸素約0.0005重量%)に達する。この還元された鉄は炭素を4~5重量%,さらにケイ素,リン,硫黄などの鉄鉱石,石灰石,その他の溶剤からの還元されやすい元素,いいかえれば不純物を含む粗金属,すなわち銑鉄である。…

【石炭】より

…エクジニットexiniteは,主として植物の葉,小枝などの角皮と胞子,花粉,種子,水藻,樹脂質に由来する。イナーチニットinertiniteは主として植物の木質部と菌類に由来し,石炭組織のなかでは不活性な成分なので,これを多く含む石炭は,コークス製造や液化,ガス化の原料として不向きである。顕微鏡による研究で石炭の微細な組織や含有されている胞子,花粉,種子などが識別でき,このことは,もとの植物の種類を調べたり,あるいは離れた地点や断層の両側で炭層が同一のものかどうかを判定するために,有力な手がかりを与えてくれる。…

【石炭化学工業】より

…石炭化学工業とは,化学工業のなかで石炭を原料として各種の化学製品を生産する産業で,石炭を乾留して得られる石炭ガス,コークス,コールタールを原料とするものと,石炭をガス化して原料とするもの,の二つに大別することができる。おもな製品としては,石炭ガスからつくられるBTX類(ベンゼン,トルエン,キシレン),コールタールからつくられるピッチ,クレオソート油などがある。…

【粘結炭】より

…この性質を粘結性といい,粘結性をもつ石炭を粘結炭という。空気を遮断しての加熱処理が乾留であり,できた固体がコークスである。歴青炭のうち石炭化度の高い範囲のものが粘結性をもつ。…

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