サンゴ(珊瑚)(読み)サンゴ

百科事典マイペディア 「サンゴ(珊瑚)」の意味・わかりやすい解説

サンゴ(珊瑚)【サンゴ】

腔腸(こうちょう)動物花虫類のうち,石灰質の骨格をつくる種類の総称現生のものは八放サンゴ類,六放サンゴ類に分けられる。八放サンゴのポリプは8個の触手隔膜とを特徴とし,円筒形,共肉内に埋まって群体を形成する。ポリプの口の下には胃と体腔の分化しない腔腸があり,口は排出腔としても働く。受精は普通海水中で行われ,受精卵は浮遊性のプラヌラ幼生を経て着生生活に入り,この後は芽生によって成長。装飾品として珍重される珊瑚は群体の分泌した石灰質の骨格である。アカサンゴモモイロサンゴシロサンゴが知られ,日本付近では四国沖,九州西部,小笠原〜台湾の数十〜数百mの海底岩石等に着生。サンゴ網で採取され,首飾,帯留などに利用される。六放サンゴは6ないしその倍数の触手,隔膜をもつのが特徴。サンゴ礁を形成するイシサンゴはこれに含まれ,一般に暖海の浅海底にすみ,種類が多い。また群体を作らない深海性の種類も知られる。サンゴ類はオルドビス紀以来地質時代に広く存在し,示準化石として重要なものも多い。
→関連項目腔腸動物誕生石宝石

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