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バラード ばらーど

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

バラード(文芸用語)
ばらーど
balladeフランス語

文芸用語。ラテン語のballare(踊る)に由来し、物語詩、譚詩(たんし)、民謡、歌謡と訳され、教会、宮廷中心の詩に対し、民衆のなかから生まれた詩で、内容的には英雄、悲恋を主題とするロマンチックな口承伝説詩である。12世紀フランスの吟遊詩人に発し、15、6世紀にヨーロッパ各地に広まった。八行のスタンザ三つにエンボイenvoyという呼びかけの四行がつく形で、ビヨンの『首吊(つ)りのバラード』に代表される。各スタンザの終わりにリフレーンがつくのは本来の舞踏歌の性格を示す。イギリスではバラッドballadとよび、多くは四行詩の長連の形をとり、イングランドとスコットランドの国境地帯で盛んに歌われた。[船戸英夫]
 西洋音楽でバラードという場合、わが国ではドイツのバラーデBalladeとフランスのバラードをともにバラードとよぶことが多い。バラーデは譚詩曲と訳され、18、9世紀のドイツで愛好されたピアノ伴奏歌曲。中世の歴史上あるいは架空のロマン的な物語を扱ったもので、代表的な作曲家はレーベ(1796―1869)である。後者は14世紀にフランスで多く作曲され、マショー(1300ころ―77)が多声の優れたバラードを残した。[石多正男]

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