兜(漢字)

普及版 字通 「兜(漢字)」の読み・字形・画数・意味


人名用漢字 11画

[字音] トウ・ト
[字訓] かぶと

[説文解字]

[字形] 象形
兜をつけた人の形。〔説文〕八下に皃(ぼう)に従う字とし、「兜(とうぼう)、首鎧(しゆがい)なり」といい、「皃は人の頭に象るなり」とするが、白の部分は甲の本体で、鉢型の鉄甲で古く虎(こかい)とよばれていた部分である。その左右に垂れひさしをつける。両旁(帽)という。殷代の虎遺品が残されている。

[訓義]
1. かぶと、かぶりもの。
2. かぶる、かぶりつつむ、かこむ。

[古辞書の訓]
立〕兜 カカリヒ・カブト

[部首]
〔説文〕八下に兜の白を除いた部分を部首とし、「廱(ようへい)なり」と訓し、「讀みて瞽(こ)の(ごと)くす」とあり、〔段注〕に蠱惑(こわく)の蠱の意とするが、独立した字の形象とはみえず、またその用義の確かな例もない。兜を全体象形の字とみるべきである。

[語系]
兜to、冑diuは声義近く、冑は〔説文〕七下に「兜なり」とあって同訓。兜字の白の部分は、冑字の由の部分と同じく、の部分は金文では垂れた帽の間から目があらわれている形である。首に垂れたしころのあるものを冑という。ともに頭に戴くものであり、頭doと声義の関係があろう。

[熟語]
兜裹・兜兜轎・兜兜子兜担兜肚・兜・兜・兜兜羅兜絡兜攬兜零

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報