デジタル大辞泉
「心魂」の意味・読み・例文・類語
こころ‐だま【心▽魂】
1 たましい。心。精神。
「入相の鐘袋に―を籠めて」〈浮・永代蔵・五〉
2 心意気。度胸。きもったま。
「大場に住める商人の―各別に広し」〈浮・胸算用・五〉
3 霊魂。
「我は木挽きの吉介が娘おはつが―なり」〈浮・一代男・四〉
こころ‐だましい〔‐だましひ〕【心魂】
1 正常な心の働き。正気。
「―惑ひて、よろづのこと覚え給はず」〈宇津保・忠こそ〉
2 思慮才覚。才能。
「かたちとても人にも似ず、―もあるにもあらで」〈かげろふ・上〉
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こころ‐だま【心魂】
〘名〙 (「魂」に「玉」の字をあてる場合もある)
※俳諧・毛吹草(1638)五「もて来つる是ぞ年玉心玉〈宗房〉」
※浮世草子・西鶴諸国はなし(1685)四「屋かた住ひ、気づまりも、上野の花にわすれて、諸人の心玉
(ココロダマ)うきたつ、春の
ありさま」
※浮世草子・好色五人女(1686)三「
堅田の舟よばひも、若やは京よりの追手かと心玉もしづみて」
※浮世草子・
世間胸算用(1692)五「大場にすめる商人の心だま各別に広し」
③ 霊魂。
※浮世草子・好色一代男(1682)四「我は
木挽の吉介が
。おはつが心魂
(ココロダマ)也。ふたりが中は。比翼といふて、おもひ死をさした、其うらみに」
[語誌]「だま」は「たましい」の「たま」と同語源だと思われるが、「こころだましい」は中古に、「こころだま」は
近世になってから見られる。従って、「こころ」に「たま」が付いたのではなく、
中世の「きもだましい」が近世に「きもだま」「肝っ玉」と変化したように、「こころだましい」から変化したものとも考えられる。
こころ‐だましい ‥だましひ【心魂】
〘名〙 外見的な
容姿に対して、内面的な心の働き、精神をいう。
※
書紀(720)雄略二三年八月(前田本訓)「筋力精神
(ココロタマシヒ)一時(もろとも)に労竭
(つき)ぬ」
※
蜻蛉(974頃)上「かたちとても人にも似ず、こころたましひもあるにもあらで」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
普及版 字通
「心魂」の読み・字形・画数・意味
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報