心魂(読み)シンコン

デジタル大辞泉 「心魂」の意味・読み・例文・類語

しん‐こん【心魂/神魂】

こころ。たましい。全精神。「制作に―を傾ける」「―を打ち込む」
[類語]心神心頭精神こころ知情意内心心情内面良心マインドハートスピリットエスプリメンタル心的内的精神的内面的観念的心理的知能心理精神力メンタリティースピリチュアル精魂気迫神気気概気力意力意志神経気構え気持ち理念思想気風気性きしょう心性さが

こころ‐だま【心魂】

たましい。心。精神。
入相の鐘袋に―を籠めて」〈浮・永代蔵・五〉
心意気度胸。きもったま。
大場に住める商人の―各別に広し」〈浮・胸算用・五〉
霊魂。
「我は木挽こびきの吉介が娘おはつが―なり」〈浮・一代男・四〉

こころ‐だましい〔‐だましひ〕【心魂】

正常な心の働き。正気。
「―まどひて、よろづのこと覚え給はず」〈宇津保・忠こそ〉
思慮才覚。才能
かたちとても人にも似ず、―もあるにもあらで」〈かげろふ・上〉

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精選版 日本国語大辞典 「心魂」の意味・読み・例文・類語

こころ‐だま【心魂】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「魂」に「玉」の字をあてる場合もある )
  2. たましい。まごころ。心気。
    1. [初出の実例]「もて来つる是ぞ年玉心玉〈宗房〉」(出典:俳諧・毛吹草(1638)五)
    2. 「屋かた住ひ、気づまりも、上野の花にわすれて、諸人の心玉(ココロダマ)うきたつ、春のありさま」(出典:浮世草子・西鶴諸国はなし(1685)四)
  3. 心意気。度胸。肝っ玉
    1. [初出の実例]「堅田の舟よばひも、若やは京よりの追手かと心玉もしづみて」(出典:浮世草子・好色五人女(1686)三)
    2. 「大場にすめる商人の心だま各別に広し」(出典:浮世草子・世間胸算用(1692)五)
  4. 霊魂。
    1. [初出の実例]「我は木挽の吉介が。おはつが心魂(ココロダマ)也。ふたりが中は。比翼といふて、おもひ死をさした、其うらみに」(出典:浮世草子・好色一代男(1682)四)

心魂の語誌

「だま」は「たましい」の「たま」と同語源だと思われるが、「こころだましい」は中古に、「こころだま」は近世になってから見られる。従って、「こころ」に「たま」が付いたのではなく、中世の「きもだましい」が近世に「きもだま」「肝っ玉」と変化したように、「こころだましい」から変化したものとも考えられる。


こころ‐だましい‥だましひ【心魂】

  1. 〘 名詞 〙 外見的な容姿に対して、内面的な心の働き、精神をいう。
  2. 気力。正気。精神。意識。
    1. [初出の実例]「筋力精神(ココロタマシヒ)一時(もろとも)に労竭(つき)ぬ」(出典:日本書紀(720)雄略二三年八月(前田本訓))
  3. 思慮才覚。才能。才知
    1. [初出の実例]「かたちとても人にも似ず、こころたましひもあるにもあらで」(出典:蜻蛉日記(974頃)上)

しん‐こん【心魂・神魂】

  1. 〘 名詞 〙 心と魂。精神。こころ。たましい。
    1. [初出の実例]「一悚一懼、心魂飛越」(出典:性霊集‐三(835頃)勅賜屏風書了即献表)
    2. 「八幡のご託宣あらたに、心魂に残ることわり、まこと正直の頭(こおべ)に宿り給ふかと」(出典:謡曲・清経(1430頃))
    3. 「心魂を傾けてこのスバラシイ発明にたどりついた」(出典:ストマイつんぼ(1956)〈大原富枝〉)
    4. [その他の文献]〔徐照‐自君之出矣三首詩〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「心魂」の読み・字形・画数・意味

【心魂】しんこん

心のそこ。梁・江淹雑体詩、三十首、左記室(思)〕百年信(まこと)に(じんぜん)(すぎゆく)たり 何を用(もつ)てか心魂をしむる

字通「心」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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