猶予(読み)ユウヨ

デジタル大辞泉 「猶予」の意味・読み・例文・類語

ゆう‐よ〔イウ‐〕【猶予】

[名](スル)
ぐずぐず引き延ばして、決定実行しないこと。「もはや一刻の猶予も許されない」「猶予している場合ではない」
実行の日時を延ばすこと。「返済を一か月間猶予する」「執行猶予
[類語](1躊躇逡巡ためらい遅疑二の足を踏む据え置き保留留保棚上げ棚に上げるペンディング後回し二の次お預け/(2延期日延べ順延延長延引遷延先送り先延ばし繰り延べる繰り下げる引き延ばす持ち越す時を稼ぐ延び延び遅延延びる延滞遅滞引き延ばし繰り延べ

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「猶予」の意味・読み・例文・類語

ゆう‐よイウ‥【猶予・猶与】

  1. 〘 名詞 〙
  2. うたがいためらうこと。ぐずぐずしていて、決定・実行しないこと。
    1. [初出の実例]「野心難改、情懐猶予」(出典:三教指帰(797頃)下)
    2. 「大行は、細謹を顧みずとこそ申候へ。此等程の少事に猶予(イウヨ)有る可きにあらず」(出典:太平記(14C後)九)
    3. [その他の文献]〔顔子家訓‐書証〕
  3. 日時を延ばすこと。許して実行を遅らせること。延引。遷引。
    1. [初出の実例]「まづまづ若殿様、暫く御猶予なし被下ませふ」(出典:歌舞伎・韓人漢文手管始(唐人殺し)(1789)一)
  4. 特に、執行猶予徴兵猶予などをいう。
    1. [初出の実例]「私はまだ猶予中ですが検査を受けたって屹度駄目です。〈略〉私軍隊生活の出来るやうな人が羨ましくってなりません」(出典:或る女(1919)〈有島武郎〉後)
  5. 余裕。
    1. [初出の実例]「斯く貨財の進むに従ひ、人心亦大に猶予を得て」(出典:日本開化小史(1877‐82)〈田口卯吉〉一)

ゆ‐よ【猶予】

  1. 〘 名詞 〙 「ゆうよ(猶予)」の変化した語。〔名語記(1275)〕
    1. [初出の実例]「時今播乱の際(あはひ)に逼て、士民おのおの鼬預(ユヨ)狐疑す」(出典:読本椿説弓張月(1807‐11)拾遺)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「猶予」の読み・字形・画数・意味

【猶与】ゆう(いう)よ

ためらう。是非が明らかでない。〔礼記、曲礼上〕卜筮(ぼくぜい)なるは、先王の、~民をして疑を決し、與を定めしむる以(ゆゑん)なり。

字通「猶」の項目を見る


【猶予】ゆう(いう)よ

ためらう。〔楚辞離騒〕心、豫して疑す 自ら(ゆ)かんと欲するも、不可なり

字通「猶」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

今日のキーワード

大臣政務官

各省の長である大臣,および内閣官房長官,特命大臣を助け,特定の政策や企画に参画し,政務を処理する国家公務員法上の特別職。政務官ともいう。2001年1月の中央省庁再編により政務次官が廃止されたのに伴い,...

大臣政務官の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android