コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

行政委員会 ぎょうせいいいんかいadministrative committee

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

行政委員会
ぎょうせいいいんかい
administrative committee

合議制行政機関。一般の行政組織の体系からある程度独立して特定の行政権を行使するが,その分野の規則を制定する準立法権,裁決を行う準司法権をももっている。特にアメリカで発達してきたが,第2次世界大戦後日本でも採用された。公正取引委員会労働委員会公安委員会選挙管理委員会,教育委員会,人事院などがその代表的な例である。委員の任期は2~5年,委員数は3~39と一定していない。

出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について | 情報

知恵蔵の解説

行政委員会

政治的中立性や利害調整を強く求められる行政領域には、最高意思決定権限者が単一の行政機関(独任制の機関)ではなく、複数の委員からなる合議制の最高意思決定機関を設け、その下に事務局を置いた行政機関が存在している。一般にこれを行政委員会という。中央政府レベルでは、公正取引委員会、国家公安委員会公害等調整委員会、人事院、中央労働委員会などがこれに当たる。これらの機関は準司法機能と準立法機能を持つ。

(新藤宗幸 千葉大学法経学部教授 / 2007年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について | 情報

朝日新聞掲載「キーワード」の解説

行政委員会

教育や選挙事務など、政治的な中立性が必要な行政分野に置かれる、合議制の意思決定機関。地方自治法で設置が義務づけられ、委員の報酬は「その勤務日数に応じてこれを支給する」と定められている。ただし、「条例で特別の定めをした場合はこの限りでない」ともされており、多くの自治体は月額報酬制を採用してきた。委員には弁護士や大学教員、企業関係者ら有識者が就くことが多く、議会の同意や選挙を経て選ばれる。

(2010-10-15 朝日新聞 朝刊 広島1 1地方)

出典|朝日新聞掲載「キーワード」朝日新聞掲載「キーワード」について | 情報

デジタル大辞泉の解説

ぎょうせい‐いいんかい〔ギヤウセイヰヰンクワイ〕【行政委員会】

行政機関の一。政治的中立性を必要とする行政を推進するため、一般行政機構から独立して設置される合議制の機関。訴訟の判断などの準司法的権能、規則制定などの準立法的権能を有するものが多い。
[補説]国の機関として人事院(内閣所轄)、公正取引委員会国家公安委員会特定個人情報保護委員会(内閣府)、公害等調整委員会(総務省)、公安審査委員会(法務省)、中央労働委員会(厚生労働省)、運輸安全委員会国土交通省)、原子力安全委員会(環境省)があり、地方公共団体の機関として教育委員会選挙管理委員会都道府県市町村)、人事委員会または公平委員会(都道府県と指定都市等)、公安委員会労働委員会収用委員会海区漁業調整委員会・内水面漁場管理委員会(都道府県のみ)、農業委員会・固定資産評価審査委員会(市町村のみ)がある。

出典|小学館デジタル大辞泉について | 情報 凡例

百科事典マイペディアの解説

行政委員会【ぎょうせいいいんかい】

一般の行政機関から実質的に独立し,特定の行政権を行使するとともに,ときに規則を制定する準立法権や,裁決を行う準司法権も行使する合議機関。米国で発達した独立規制委員会にならって,戦後日本でも採用された。
→関連項目収用委員会農業委員会労働委員会

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト百科事典マイペディアについて | 情報

世界大百科事典 第2版の解説

ぎょうせいいいんかい【行政委員会 administrative commission】

複数の委員によって構成される,特定の行政権を有する合議制の行政機関で,一般の行政組織からある程度独立した地位にあるのが特徴である。大臣など単独の人を長とする独任制の組織とは異なる組織型の行政機関である。また同じく合議制の機関でも,審議会などと呼ばれる諮問機関と異なり,それ自身が行政権を行使する。イギリス,アメリカでとくに発達した制度であるが,日本には第2次大戦後の占領期に導入され,広範に設置された。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

大辞林 第三版の解説

ぎょうせいいいんかい【行政委員会】

行政官庁の一種。合議制で、権限行使につき一般行政権に対して独立性を保つ。行政権限の他に、準立法的・準司法的権限を有する。公正取引委員会・労働委員会・選挙管理委員会・教育委員会など。

出典|三省堂大辞林 第三版について | 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

行政委員会
ぎょうせいいいんかい

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について | 情報 凡例

世界大百科事典内の行政委員会の言及

【外局】より

…しかし,外局とされる委員会と庁はその性格,存在理由を異にする。前者は,通例,行政の民主化,社会的諸利害の公正な調整,第三者的不服審査,行政の政治的中立性の確保などを存在理由とし,原則的にその職権行使の独立性を保障された合議制の行政官庁としていわゆる〈行政委員会〉の性質をもつものであるが,後者は,このような特殊性をもたず,その所掌事務が量的に膨大でかつ機能的なまとまりと独立性をある程度もち,内局で処理するのが不適当な場合などに設置される。したがって,外局の統一的な実質的概念規定は困難であるが,その権限を府省(本府,本省)の内局などと形式的に区別することは可能とされている。…

【行政審判】より

…このような行政審判は,第2次大戦前から存在した海難審判および特許審判を除いては,戦後,アメリカ法の影響のもとで,日本に導入されたものである。すなわち,戦後,行政の民主化の一環として,アメリカの独立規制委員会にならって,各種の行政委員会が設置されたのであるが,同時に,それらの行政委員会がその準立法的権限や準司法的権限を行使する際の手続として,行政審判が導入された。このような手続は,アメリカにおいては,国民の権利自由を保障するために,規制的権限の行使にあたっては〈適正な手続due process〉がとられなければならないという観念のもとで,行政過程における〈適正な手続〉の理念を最もよく具体化するものとして形成されてきた。…

【行政法】より

…もっとも,英米における行政法の成立・展開は,大陸型行政法とは異なり,行政制度とは必ずしもかかわりがない。すなわち英米における行政法の成立・展開は,行政の現代的機能を果たすための各種行政委員会や行政審判所等が行使する行政的・準立法的または準司法的権限をめぐる諸問題(行政手続,委任立法,司法審査,救済方法等)についての特殊な制定法・判例等の集積の中に主としてみられる。イギリスとアメリカの行政法は,それぞれ歴史的制度的基礎を異にするところから,両者間の差異もみのがせないが,上述したかぎりでの大陸型行政法とは異質なものである点で共通しており,これを英米型行政法またはコモン・ロー型行政法とよんでいる。…

【法の支配】より

…アメリカのように,独立にいたる本国との抗争および独立後のいくつかの邦(州)での経験から,立法権の濫用も行政権の濫用と同様に警戒すべきだという考えが広くもたれるようになると,違憲立法審査制度が生み出されることになる。 イギリス,アメリカでは,今日でも,ヨーロッパ大陸諸国に広く見られるような通常裁判所と並立する単一の行政裁判所制度が採用されず,伝統的な法分野と異なる専門的・技術的知識を必要とする領域の事件については,イギリスでは数多くの行政的裁判所,アメリカでは各種の行政委員会にまず裁判をさせるが,少なくとも法律問題についてはその判断を最終的なものとせず,通常裁判所に最終的判断権を与えるという原則を最大限維持しようとしている。これは,法の支配の精神により,通常裁判所からまったく独立した機関が専門家的独善に陥ることを防止しようとしてのことであるといえる。…

※「行政委員会」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

行政委員会の関連キーワード控訴裁判所[アメリカ合衆国]公共企業体等労働委員会国際周波数登録委員会公安委員会(日本)農業調整委員会船員労働委員会漁業調整委員会金融再生委員会大間知 芳之助土地調整委員会独立行政委員会独立行政機関準司法的権限日本版FCCパテト・ラオ合議制官庁三条委員会建築審査会独立機関行政官庁

今日のキーワード

分水嶺

1 分水界になっている山稜(さんりょう)。分水山脈。2 《1が、雨水が異なる水系に分かれる場所であることから》物事の方向性が決まる分かれ目のたとえ。...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android

行政委員会の関連情報