デジタル大辞泉
「逸る」の意味・読み・例文・類語
そ・る【▽逸る】
《「反る」と同語源》
[動ラ四]
1 鳥が手もとから離れて飛び去る。
「争へば思ひにわぶるあま雲にまづ―・る鷹ぞ悲しかりける」〈かげろふ・中〉
2 思いがけない方へ向かう。それる。
「このごろ、御心―・り出でて、化粧ばやりたりとは見ゆや」〈落窪・一〉
[動ラ下二]「それる」の文語形。
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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はや・る【逸・早】
- 〘 自動詞 ラ行五(四) 〙 ( 「はや(早)」の動詞化したもの。心が一つの対象にひかれ、そちらに進む意 )
- ① 興に乗る。夢中になる。
- [初出の実例]「面白き手どもを遊ばしはやりて、人の有り無しも知ろしめさず」(出典:宇津保物語(970‐999頃)国譲上)
- ② 勇み立つ。あらだつ。〔新撰字鏡(898‐901頃)〕
- [初出の実例]「はやる馬に乗り、をりまはしておはする」(出典:宇津保物語(970‐999頃)蔵開下)
- ③ 心が先に進む。せきこむ。また、あせる。いらだつ。「はやる気持をおさえる」
- [初出の実例]「このいとこも、はた、けしきはやれる、御返しや、御返しやと筒(どう)をひねりて、とみにも打ち出でず」(出典:源氏物語(1001‐14頃)常夏)
- ④ 快活ではきはきしている。機転がきいて、てきぱきしている。
- [初出の実例]「兵衛の君は、こめきたる人の、かみたけに一しゃくばかりあまりて、〈略〉はやりなれたり〈略〉こぎみも、〈略〉いとはやりざれたり」(出典:宇津保物語(970‐999頃)国譲上)
- ⑤ 水がしぶきを上げたりしながら激しく流れる。〔日葡辞書(1603‐04)〕
そ・る【逸】
- [ 1 ] 〘 自動詞 ラ行四段活用 〙
- ① 思いがけない方へ飛んで行く。違った方向へ離れ去って行く。
- [初出の実例]「あらそへば思ひにわぶるあま雲に、まづそる鷹ぞかなしかりける」(出典:蜻蛉日記(974頃)中)
- ② 物事が思いもかけない方向へと進む。正常な状態から、ずれて行く。
- [ 2 ] 〘 自動詞 ラ行下二段活用 〙 ⇒それる(逸)
はぐ・る【逸】
- [ 1 ] 〘 自動詞 ラ行下二段活用 〙 ⇒はぐれる(逸)
- [ 2 ] 〘 他動詞 ラ行四段活用 〙 しくじる。多く動詞の連用形に付けて「…しそこなう」の意を表わす。
- [初出の実例]「心中が出るで結納うりはぐり」(出典:雑俳・柳多留‐九(1774))
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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