デジタル大辞泉
「荒らす」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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あら・す【荒】
- [ 1 ] 〘 他動詞 サ行五(四) 〙
- ① 乱暴なやり方でそこなう。乱雑な状態にしたりこわしたりして、だめにする。また、いためたり傷つけたりする。
- [初出の実例]「朝庭(みかど)荒(アラサ)ずして、浄めつかまつること鏡の面の如くにして」(出典:日本書紀(720)用明元年五月(図書寮本訓))
- 「子供は〈略〉家を荒(アラ)すやうな事はないが」(出典:雁(1911‐13)〈森鴎外〉五)
- ② 土地を、手入れをせず何も植えないままにしておく。建物などを、いたみそこなわれるままにほうっておく。
- [初出の実例]「夕霧に千鳥の鳴きし佐保路をば安良之(アラシ)やしてむ見るよしをなみ」(出典:万葉集(8C後)二〇・四四七七)
- 「わが世にあらん限りだに此院あらさず」(出典:源氏物語(1001‐14頃)匂宮)
- ③ 言葉、気持などをはげしいさまにする。平静でなくさせる。
- [初出の実例]「懸乞(かけごひ)の来ては言葉を荒しける〈芭蕉〉 余所(よそ)よりくらき月の枝折戸(しをりど)〈濁子〉」(出典:俳諧・袖草紙所引鄙懐紙(1811)元祿六年歌仙)
- ④ 食べ物など、あちこちつついて食べる。
- [初出の実例]「どれ、お肴でも荒(アラ)して来ようか」(出典:歌舞伎・梅雨小袖昔八丈(髪結新三)(1873)三幕)
- ⑤ 他の国、家、土地、店、領分などを乱し犯す。盗んで損失をあたえる。また、他人に迷惑をかける。平和を乱す。
- [初出の実例]「平気に水菓子屋、小間物屋を荒らしてあるく『楽天的』の深水(ふかみ)」(出典:思出の記(1900‐01)〈徳富蘆花〉五)
- [ 2 ] 〘 自動詞 サ行五(四) 〙 風の吹く勢いが強くなる。嵐になってくる。
- [初出の実例]「カゼガ arasu(アラス)」(出典:日葡辞書(1603‐04))
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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