デジタル大辞泉 「荒む」の意味・読み・例文・類語
すさ・む【▽荒む/▽進む/▽遊む】
1 心の持ち方・行動などが乱れてきて、ゆとりやおおらかさがなくなる。とげとげした状態になる。「気持ちが―・む」「生活が―・む」
2 物事の繊細さ・上品さが失われて粗雑になる。「最近の彼の芸は―・んでいる」
3 雨や風などの勢いが激しくなる。「寒風が―・む」
4 ふけりおぼれる。「酒色に―・む」
5 勢いが尽きて衰える。
「御前にて物など参り給へども、あさましうはかなく―・みつつ」〈狭衣・二〉
6 嫌って遠ざける。うとむ。
「人ヲ―・ム」〈日葡〉
7 からだを苦しめ痛めつける。
「身ヲ―・ム」〈日葡〉
8 (遊む)動詞の連用形について、興にのって事をすすめる意を表す。気の向くままに…する。
「筆さしぬらして書き―・み給ふほどに」〈源・初音〉
[動マ下二]
1 心に留めて愛する。賞美する。
「大荒木の森の下草老いぬれば駒も―・めず刈る人もなし」〈古今・雑上〉
2 勢いが衰えて、やむ。
「ひまもなく降りも―・めぬ五月雨につくまの沼の水草波よる」〈類従本堀河百首〉
3 嫌って遠ざける。うとんじる。
「むべ我をば―・めたりと、気色どり怨じ給へりしこそ」〈源・紅梅〉
[類語]荒れる・荒らす・すさぶ・焦慮・苛立ち・焦燥・焦る・せく・急き込む・気が急く・逸る・テンパる・焦心・苛立つ・かりかり・じりじり・やきもき・むしゃくしゃ・むずむず・うずうず・じれる・苛つく・業を煮やす・痺れを切らす・歯痒い・じれったい・もどかしい・辛気臭い・苛立たしい・まだるっこい・まどろっこい・躍起・隔靴掻痒・いらいら・尖る・手ぬるい・生ぬるい・のろ臭い・