異様(読み)イヨウ

デジタル大辞泉 「異様」の意味・読み・例文・類語

い‐よう〔‐ヤウ〕【異様】

[形動][文][ナリ]ようすが普通でないさま。変わっているさま。「異様な光景」「目が異様に輝く」
[派生]いようさ[名]
[類語]グロテスクおどろおどろしいグロ異常奇異奇妙みょう面妖めんよう不思議不可解不審不自然奇怪奇態風変わり特異異状異例非常別条変ちくりん変てこ変てこりん妙ちきりんけったいおかしいおかしな奇天烈きてれつ珍奇新奇珍妙奇抜奇警奇想天外突飛ファンシー突拍子もない言語道断無茶めちゃむちゃくちゃめちゃくちゃめちゃめちゃ滅法法外無理乱暴無体理不尽非理不当不条理不合理非合理狂的病的クレージーいかれる神経質凝り性マニアックモノマニアモノマニアック偏執狂執念深いアブノーマル変則的変則変格破格イレギュラー珍しいれる外れる脱線狂い踏み外す逸脱ずれるずれ型破り例外例外的格外ディレッタント物好き酔狂好事家こうずかおたく気違いマニアつうこだわりこだわる道楽れ者凝り屋執拗しつようしつこいサブカルチャー

こと‐ざま【異様】

[名・形動ナリ]
普通とは変わったありさま。ことよう。
かたちの―にて、うたてげに変はりて侍らば」〈賢木
期待などに反しているか、または今までと違ったありさま。
「ねむごろに言ひ契りける女の―になりにければ」〈伊勢・一一二〉
他の方面ほかの人。
「さりとて、―の頼もしき方もなし」〈和泉式部日記

こと‐よう〔‐ヤウ〕【異様】

[名・形動ナリ]普通と違っていること。また、そのさま。風変わり。
風俗の―なるは」〈逍遥当世書生気質
「これがままに仕うまつらば、―にこそあべけれ」〈・一〇三〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「異様」の意味・読み・例文・類語

こと‐ざま【異様】

〘名〙
① ほかの方面の事。違った分野にある事。また、当面の問題とは違っている事。
源氏(1001‐14頃)行幸「又またおほせ言に従ひてなむ、ことさまの事はともかくも思ひさだむべき」
予期、期待や、今までの状態とは違った有様。「ことざまになる」の形で、懸想したり契りをかわしたりした女性が、期待を裏切って別の男性と結婚するのをいうことがある。
伊勢物語(10C前)一一二「ねむごろにいひ契りける女の、ことさまになりにければ」
※源氏(1001‐14頃)宿木「なほ寝殿を失ひてことさまにも造り変へんの心にてなん」
事実真相とは違った話の内容。実際とは違うこと。
※源氏(1001‐14頃)夕顔「そのあらん乳母などにも、ことさまにいひなしてものせよかしなど語らひ給う」
④ (形動) 普通の有様とは違っていること。異様な、また、変わったさま。ことしま
※源氏(1001‐14頃)賢木「かたちのことさまにて、うたてげに変はりて侍らばいかが思さるべき」

い‐よう ‥ヤウ【異様】

〘名〙
① 普通と違った外観。〔色葉字類抄(1177‐81)〕
風姿花伝(1400‐02頃)二「同じ人と申しながら、模様の変りたらんを着て、一体(いってい)異やうしたるやうに、風体を持つべし」
② (形動) 普通と変わって様子の変なこと。異常なさま。
御堂関白記‐寛仁元年(1017)四月一一日「所申事甚以異様、無尻口
※忘れえぬ人々(1898)〈国木田独歩〉「大津の眼は少し涙にうるんで居て、異様な光を放て居た」

こと‐しま【異様】

〘名〙 (「しま」は「さま」に同じ) 異なったこと。変わった様子。ことざま。
※正倉院文書‐天平勝宝九年(757)三月二五日・孝謙天皇詔「供奉政の趣異(ことシマ)に在に他き事交へは恐み供奉政畢て後に趣は宣む」

こと‐よう ‥ヤウ【異様】

〘名〙 (形動) 変わっていること。普通とはちがう様子。また、そのさま。めずらしいさま。ことざま。異常。風変わり。
※落窪(10C後)一「かくことやうにあらむ人を見て、心とまりて思ふ人はありなむや」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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