金峰山(奈良県)(読み)きんぶせん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「金峰山(奈良県)」の意味・わかりやすい解説

金峰山(奈良県)
きんぶせん

「きんぷさん」ともいう。古来、奈良県吉野川左岸の吉野山から山上(さんじょう)ヶ岳に至る一連の諸峰を金峰山または金御岳(かねのみたけ)といい、山上ヶ岳の南、天川(てんかわ)村小篠(おざさ)から熊野までの峰々を大峰山(おおみねさん)と称していた。また平安時代以後、熊野信仰と結び付いた修験道(しゅげんどう)が隆盛となり、山上ヶ岳および吉野山の蔵王(ざおう)堂を中心に立ち並ぶ修験寺院を一括して金峯山寺(きんぷせんじ)、地主神を祀(まつ)る神社を金峯神社(きんぶじんじゃ)と称した。後世、金峰山と大峰山は混同され、山上ヶ岳を大峰山とよぶようになった。

[菊地一郎]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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