金峰山(熊本県)(読み)きんぽうざん

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

金峰山(熊本県)
きんぽうざん

熊本県中部、菊池平野(きくちへいや)と熊本低地との間に位置する二重式火山。標高665メートル。更新世(洪積世)前期火山岩からなる外輪山は、陥没カルデラの中心から放射状および同心円状の形をとる断層によって、多数の丘塊に分断されている。更新世末期火山岩からなる一ノ岳(665メートル)は主峰で、中央火口丘であるが、同じ岩質からなる二ノ岳(熊岳)、三ノ岳(那智(なち)山)は外輪山の山腹に噴出した寄生火山である。山頂の金峯山神社(きんぽうざんじんじゃ)は、南北朝時代に菊池氏が再興して以来、西麓(せいろく)の岩戸観音、東麓の本妙寺(ほんみょうじ)とともに参詣(さんけい)の対象になっている。また、山頂からの眺望もよく、夏目漱石(そうせき)の『草枕(くさまくら)』ゆかりの峠の茶屋、西南戦争で知られた吉次越(きちじごえ)ほか旧跡にも恵まれ、登山、ハイキング、自然観察の好適地であることから、山体のほとんど全域が県立公園に指定されている。南麓には熊本市立の「金峰山少年自然の家」があり、レクリエーションセンターの機能を果たしている。島原湾に臨む西麓は、温暖な気候特性を活用した温州ミカン(うんしゅうみかん)の一大産地。

[山口守人]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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