捕まえる(読み)ツカマエル

デジタル大辞泉 「捕まえる」の意味・読み・例文・類語

つかま・える〔つかまへる〕【捕まえる/×掴まえる/捉まえる】

[動ア下一][文]つかま・ふ[ハ下二]
逃げようとするものをとりおさえる。「どろぼうを―・える」「虫を―・える」
(掴まえる・捉まえる)手でかたく押さえ持つ。離さないようにしっかりつかむ。「首根っこを―・える」「大衆の心を―・える」
声をかけて立ちどまらせる。呼び止める。また、引き止める。「談判しようと社長を―・える」「空車を―・える」
(「…をつかまえて」の形で)…に対して。…を相手に。「先輩を―・えて何を言うか」
[類語](1捕る捕らえる引っ捕らえる取り押さえる生け捕る召し捕るからめ取る引っくくとらまえる捕獲する拿捕だほする捕縛する逮捕する検束する検挙する挙げるぱくるしょっぴく引っ立てる/(2つか引っ掴むとらえる握る押さえる把捉はそくする捕捉ほそくする/(3挫く弱める砕く邪魔妨害阻害そがい干渉横槍よこやり障害支障障壁さわ邪魔だて水を差す水をかける足を引っ張る削ぐ圧伏圧殺抑える妨げる遮る立ち塞がるせきとめる制止握る挟む押しとどめるストップを掛ける掣肘せいちゅう封殺諫止阻む食い止める立ちはだかる遮断妨害阻止ブレーキが掛かる腰を折る

とらま・える〔とらまへる〕【捕まえる/捉まえる】

[動ア下一]《「とらえる」と「つかまえる」が混同してできた語》とらえる。つかまえる。「弱点を―・える」
[類語]捕まえる捕る捕らえる引っ捕らえる取り押さえる生け捕る召し捕るからめ取る引っくく捕獲する拿捕だほする捕縛する逮捕する検束する検挙する挙げるぱくるしょっぴく引っ立てる

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「捕まえる」の意味・読み・例文・類語

つかま・えるつかまへる【掴・捕・捉】

  1. 〘 他動詞 ア行下一(ハ下一) 〙
    [ 文語形 ]つかま・ふ 〘 他動詞 ハ行下二段活用 〙
  2. しっかりとおさえる。にぎってはなさない。
    1. [初出の実例]「頸を掣(ツカマへ)胸を掣(つかまへ)」(出典:東大寺諷誦文平安初期点(830頃))
    2. 「手塚が郎等の押付の板をつかまへて」(出典:長門本平家(13C前)一四)
  3. 逃げないようにとりおさえる。また、その場にとどめる。ひきとめる。〔詞葉新雅(1792)〕
    1. [初出の実例]「カニ ツカマエテ ミツニ ハナソフ」(出典:交隣須知(18C中か)二)
    2. 「今も人を捉(ツカマ)へて口説いて口説いて困らせ抜いた」(出典:浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉三)
  4. 物事の意味や、他人の意図などを確かに理解する。
    1. [初出の実例]「天地自然の理といふものを、しっかりとつかまへて」(出典:文明開化(1873‐74)〈加藤祐一〉二)
  5. ( 「…をつかまえて」の形で ) …を話や行為の対象にする。「…に向かって」「…に対して」の意となる。
    1. [初出の実例]「俺を捕(ツカ)めエてお伴さんてエのは何(ど)う云訳です」(出典:落語成田小僧(1889)〈三代目三遊亭円遊〉)
    2. 「判決文はそこを掴まえて、何とかして十五日謀議成立の動機を見つけようとしたのであります」(出典:松川裁判について(1958)〈広津和郎〉)

掴まえるの補助注記

室町時代頃からヤ行にも活用した。→つかまゆ(掴)


とらま・えるとらまへる【捕・捉】

  1. 〘 他動詞 ア行下一(ハ下一) 〙 ( 「とらえる」と「つかまえる」との混淆した語。室町時代頃からヤ行にも活用した ) 「とらえる」「つかまえる」に相当するくだけたいい方。
    1. [初出の実例]「アクシチビャウエ ワ toramayerarete(トラマエラレテ)、ウツノミヤニ アヅケラレタ」(出典:天草本平家(1592)四)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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