霜月祭[遠山](読み)しもつきまつり[とおやま]

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「霜月祭[遠山]」の意味・わかりやすい解説

霜月祭[遠山]
しもつきまつり[とおやま]

長野県飯田市南東部,愛知県,静岡県と境を接する遠山郷と呼ばれる地域(南信濃)の各集落で,旧暦霜月(11月)に行なわれる夜通しの神楽を中心とした祭り。舞われる神楽の型などによって上町系,下栗系,木沢系,和田系の四つの系統に分けられる。どの神楽も舞庭にかまどをつくり湯を立てて行なう湯立神楽で,まず神名帳を読んで全国の一宮の神々を招き仮面を着けずに舞う神事舞演目を行ない,全国の神々にお帰りいただいたあとに,村にまつられる神々が登場して村人たちと戯れる仮面の舞が行なわれ,最後に神送りの舞がある。かつてこの地を治め,百姓一揆により殺害された遠山一族の怨霊をしずめるために始まったと伝えられ,神楽にも遠山一族とされる面が登場する。生まれ清まりの祭りともされる。国の重要無形民俗文化財

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