(読み)ギョウ

デジタル大辞泉 「凝」の意味・読み・例文・類語

ぎょう【凝】[漢字項目]

常用漢字] [音]ギョウ(呉)(漢) [訓]こる こらす
一所にかたまって動かない。こりかたまる。「凝血凝結凝固凝集凝然凝滞
じっと一点に集中する。「凝議凝視
[名のり]こおる・こり
難読煮凝にこご

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「凝」の意味・読み・例文・類語

こり【凝】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「こる(凝)」の連用形名詞化 )
  2. 寄り集まりかたまること。凝結すること。固く凍ること。また、そのもの。かたまり。
    1. [初出の実例]「薬は飲めどはかどらぬ病ひの凝(コリ)の石坂に、流も濁る泥水の今は果敢ない苦界の勤め」(出典:歌舞伎・木間星箱根鹿笛(1880)二幕)
  3. ある一つの物事に熱中すること。こること。
    1. [初出の実例]「十蔵さんといふお客だか、仲町へきつゐこりといふから、誰を呼ぶと聞たらもといくよしで」(出典:洒落本・富賀川拝見(1782)辰見山楽内之段)
  4. 筋肉が張り、かたくなって痛むこと。肩などが凝ること。また、その部分。
    1. [初出の実例]「眼病は肩癖の、凝(コリ)よりも起るといへば」(出典:読本南総里見八犬伝(1814‐42)八)

こごり【凝】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「こごる(凝)」の連用形の名詞化 )
  2. こごること。また、そのもの。凝結。
  3. 魚を煮た汁をひやして固まらせたもの。にこごり。〔文明本節用集(室町中)〕
    1. [初出の実例]「蓴菜のこごりに塩豉(えんし)などを調和せず、その儘にて食へば、なるほど酪によく似たり」(出典:随筆・孔雀楼筆記(1768)一)

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普及版 字通 「凝」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 16画

[字音] ギョウ
[字訓] こる・さむい・きびしい

[説文解字]
[金文]

[字形] 形声
声符は疑(ぎ)。疑は人が顧みて凝然として立つ形。〔説文〕十一下に凝を冰の俗字とし、「水堅きなり。(氷)に從ひ、水に從ふ。凝、俗に冰は疑に從ふ」とするが、凝・冰(氷)は声義ともに一字とはしがたい。〔玉〕に両字を別の字としており、漢碑にも用い方に分別がある。

[訓義]
1. こる、とどまる、そのままとどまる。
2. とどこおる、かたまる、さだまる。
3. こおる、むすぶ、さむい。
4. きびしい、はげしい。

[古辞書の訓]
名義抄〕凝 コル・ヨル・ココル・コラス・ナル・トドム・サダム・サダマル 〔字鏡集〕凝 トドム・コル・タカシ・コホリ・シヅカ・カタシ・コラス・ナスラフ・トドコホル・ココル・サダマル

[語系]
凝ngingは疑ngiの声義を承ける。疑は人が顧みて凝然として立つ形。その動きのない状態を凝という。凝とは水の流動のない状態をいう。

[熟語]
凝意・凝雲・凝咽凝烟・凝遠凝笳・凝寒・凝汗・凝玩・凝血・凝結凝竭・凝堅・凝固凝冱・凝紅凝曠・凝思・凝脂・凝視・凝止・凝・凝集凝聚凝愁・凝重・凝縮・凝峻凝妝凝粧・凝浄凝矚・凝神・凝・凝粋・凝正・凝寂・凝積・凝絶・凝然・凝想・凝霜・凝滞・凝濁凝湛凝佇・凝澄凝眺凝睇・凝定・凝澱・凝凍・凝瞳・凝念・凝白・凝・凝氷・凝膚・凝閉・凝碧・凝・凝眸・凝望・凝密・凝網・凝目・凝留・凝・凝冽
[下接語]
陰凝・雲凝・煙凝・気凝・漁凝・驕凝・堅凝・光凝・膏凝・魂凝・脂凝・凄凝・清凝・精凝・静凝・霜凝・端凝・稠凝・澄凝・貞凝・天凝・冬凝・凍凝・濃凝・露凝

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