デジタル大辞泉
「次」の意味・読み・例文・類語
じ【次】
[名]
1 つぎのもの。つぎ。「次年度」
2 化学で、酸素酸などの一つの系統の化合物中、酸化の程度が標準的なものより低いことを表す語。「亜」よりさらに低いことを表す語。「次亜硝酸」
[接尾]助数詞。度数・回数などを数えるのに用いる。「二次方程式」「第二次募集」
つぎ【次】
1 すぐあとに続くこと。また、そのもの。「次の日曜」「次の角を曲がる」
2 あるものに続く地位。一段低い地位。また、一段劣ること。「主峰の次に位置する」
3 座敷に続く控えの間。次の間。
「酒も膳も慌てて―に運ぶのである」〈小杉天外・魔風恋風〉
4 宿場。駅。「東海道五十三次」
[類語]次回
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
つぎ【次】
〘名〙
① 後に接続すること。あとにすぐ続くこと。また、そのもの。
※
古事記(712)上「
天之御中主神〈略〉次
(つぎ)に高御産巣日神、次
(つぎ)に神産巣日神」
※
源氏(1001‐14頃)賢木「春宮の御事をかへすがへす聞えさせ給ひて、つぎには
大将の御事」
② あるもののすぐ下の地位。あるものの下。また、少し劣るもの。
※
書紀(720)安閑元年一〇月(北野本訓)「請らくは皇后次妃
(ツキノミメ)の為に、
屯倉(みやけ)の地を
建立てて」
※風姿花伝(1400‐02頃)三「たとひ、能は少し次なりとも、祝言ならば、苦しかるまじ」
③ 座敷に続くひかえの間。次の間。つぎのへや。
※虎明本狂言・
柑子(室町末‐近世初)「わたくしもおつぎで、御酒をたべひと仰られて」
④ (馬・
駕籠のつぎたてを行なう所から) 宿場
(しゅくば)。駅。
うまや。
※
滑稽本・
東海道中膝栗毛(1802‐09)初「書編
(かきつづり)たる東海道、五十三次
(ツギ)の記行
(みちのき)に」
じ【次】
[1] 〘名〙 順序。
※
空華日用工夫略集‐永徳二年(1382)一二月九日「且問、入寺諸仏事、必有
二次第
一否。余曰、必定一、一不
レ可
レ失
レ次」
[2] 〘接頭〙
② 化学で、中心元素を同じくする酸素酸のうち、酸化の程度の一段階低いものに冠する語。それより低いものには「亜」、さらに低いものには「
次亜」を冠する。
③ 化学で、塩基性塩(正塩を含むこともある)の混合物で、不純物の多いものや組成のはっきりしないものに冠して用いた。
[3] 〘接尾〙 回数、度数、席数などを数えるのに用いる。
すが・う すがふ【次】
〘自ハ四〙
① あとに連なる。つぎつぎに続く。連なり並ぶ。
※青表紙一本源氏(1001‐14頃)乙女「かういふさいわい人の腹のきさきがねこそ、又おひすがひぬれ」
※改正増補和英語林集成(1886)「Sugai, au スガフ 並」
③ くい違う。また、いきちがうようになる。
※散木奇歌集(1128頃)恋下「すがひてあはず かりそめにいるとや鹿の思ふらむあふひとすれば身をかくしつる」
つぎてつぎて‐し【次】
〘形シク〙 順序や次第が整っている。順を追っている。
※東大寺諷誦文平安初期点(830頃)「楽見(みかほ)しく雅(みさを)に次(ツキテツキテシク)、有る可きに行ひたまふ」
す・く【次】
〘自カ四〙 そのあとに続く。
[補注]「書紀‐天武五年九月」に「次〈次、此をば須岐と云ふ〉丹波国訶沙郡」、「万葉‐二七九」に「名次山」、「二十巻本和名抄‐七」に「近江国〈略〉湯次〈由須木〉」という地名が見られることなどから存在が推定される語。
すがい すがひ【次】
〘名〙 (動詞「すがう(次)」の連用形の名詞化) すれちがうこと。かけちがって合わないこと。〔俚言集覧(1797頃)〕
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報