セーラー服(読み)セーラーふく(英語表記)sailor suit

翻訳|sailor suit

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「セーラー服」の意味・わかりやすい解説

セーラー服
セーラーふく

日本ではセーラーブラウスとセーラースーツの2通りの意に用いられる。前者はもとイギリス,アメリカの海軍少尉候補生,海軍兵学校生徒の服装。一般に白の厚手綿ツイル,または密な綿布で仕立てられた,ゆったりしたオーバーブラウスで,うしろに垂れ下がった濃紺ウールの角襟 (セーラーカラー) に,2本ないし3本の白い綿のブレード飾りがある。ミディブラウスともいう。セーラースーツは,これに長ズボン,半ズボンまたはスカートを組合せたもの。 1850年代イギリスのビクトリア女王の王子の通学服にこのデザインが応用された。その後アメリカの一般の学校やスポーツ選手の制服に取入れられ,また婦人服にも 1910~20年代には,スカートと組合せたものが流行した。日本では 1918年前後に女学生の制服として導入され,冬用は紺,黒,えんじのサージ製,夏用は厚手綿布製のものが,サージのプリーツスカートとともに普及した。そのほかにもこのスタイルの特異性は種々に応用され,婦人服デザインの源泉にもなっている。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「セーラー服」の意味・わかりやすい解説

セーラー服
せーらーふく
sailor suit

セーラーカラー(水兵襟)のついたスーツ。前がVネックで後ろが四角の襟をセーラーカラーといい、一般にブレードの縁どりがつき、スカーフリボンを伴う。19世紀後期に制定されたイギリス海軍の水兵服からきており、海浜着として子供服や婦人服にこの襟が用いられ、その後スポーツ服に広がっていった。日本でも20世紀初頭の子供服に散見され、昭和初期にはひだスカートと組み合わせて、女子学生服に採用されていった。

[辻ますみ]

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