(読み)フク

デジタル大辞泉 「服」の意味・読み・例文・類語

ふく【服】

[名]からだに着るもの。着物。衣服。特に、洋服。「木綿の」「を着る」
[接尾]助数詞。上に来る語によっては「ぷく」となる。
粉薬などの包みを数えるのに用いる。「薬二
茶・タバコなどを飲む回数をかぞえるのに用いる。「タバコを一吸う」
[類語]洋服和服ころも衣料品衣料衣服衣類着物着衣被服装束お召物衣装ドレス洋品アパレル略服ふだん着略装軽装着流しカジュアルよそゆき一張羅街着礼服式服フォーマルウエア礼装正装既製服レディーメード既製出来合い吊るしプレタポルテ注文服オーダーメード私服官服制服ユニホーム学生服軍服燕尾服喪服セーラー服水兵服背広スーツ

ふく【服】[漢字項目]

[音]フク(漢) ブク(呉)
学習漢字]3年
〈フク〉
身につけるもの。着物。「服装衣服元服私服制服粗服被服平服法服喪服洋服礼服和服
身につける。体や心に受け入れる。「服毒服用服膺ふくよう着服頓服とんぷく内服
つき従う。「服従畏服いふく感服帰服屈服敬服降服克服承服心服征服叛服はんぷく不服
つとめにつく。従事する。「服役服務服喪ふくも
〈ブク〉喪にこもる。「服忌ぶっき忌服除服じょぶく
[名のり]こと・はとり・もと・ゆき・よ
難読服部はとり

ぶく【服】

喪服。喪衣もぎぬ服衣ぶくえ
「―などはあからさまに出でて着給へかし」〈宇津保・あて宮〉
喪に服すこと。また、その期間。喪。服喪
「御―、母方三月みつきこそはとて」〈紅葉賀

ぷく【服】

[接尾]ふく(服)」に同じ。「一清涼剤

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「服」の意味・読み・例文・類語

ふく【服】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙
    1. ころも。着物。衣服。
      1. [初出の実例]「於是高斉徳等八人並授正六位上。賜当色服」(出典続日本紀‐神亀五年(728)正月甲寅)
      2. 「草を以て服とし、菓を拾て食とせり」(出典:今昔物語集(1120頃か)五)
      3. [その他の文献]〔春秋左伝‐僖公二四年〕
    2. ( 和服を着物というのに対していう ) 「ようふく(洋服)」の略。
      1. [初出の実例]「今日は御出勤になりますか。服をだしませうか」(出典:妹と背かゞみ(1886)〈坪内逍遙〉一六)
  2. [ 2 ] 〘 接尾語 〙 ( 「服」は飲む意。上にくる語によって「ぷく」となる )
    1. 茶・薬・煙草などの、飲む回数を数えるのに用いる語。
      1. [初出の実例]「道誉又我宿所に七所を粧(かざっ)て、七番菜(さい)を調へ、七百種の課物(かけもの)を積み、七十服の本非の茶を呑べき由を申て」(出典:太平記(14C後)三六)
    2. 粉薬の一包みなど、一回で飲む量を単位としていう語。→一服(いっぷく)。〔庾信‐燕歌〕

服の補助注記

「服」の音は古く「ぶく」で、喪服あるいは喪に服することについては、後世でも「ぶく」と慣用される。→ぶく(服)


ぶく【服】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 喪中の人が着るきもの。もぎぬ。喪服。服衣(ぶくえ)
    1. [初出の実例]「太上天皇崩。〈略〉冝天下著服六月乃釈」(出典:続日本紀‐天応元年(781)一二月丁未)
  3. 喪にこもること。また、その期間。喪中。服喪。
    1. [初出の実例]「天下挙哀。服限一年」(出典:続日本紀‐宝亀元年(770)八月乙未)
    2. 「諒闇のあひだにははのぶくになりて」(出典:貫之集(945頃)九)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のの言及

【忌服】より

…服忌ともいい,死が発生してのち一定期間,喪服(凶服)を着て家に忌みこもること。〈忌〉は死のけがれにより家に謹慎することであり,〈服〉とはもと素服(そぶく)を着ることである。…

※「服」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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