ブリザード(読み)ぶりざーど(英語表記)blizzard

翻訳|blizzard

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ブリザード」の意味・わかりやすい解説

ブリザード
ぶりざーど
blizzard

寒気吹雪(ふぶき)を伴って吹く視程の悪い強風。このことばは、初めはアメリカ合衆国バージニア州において冬季、低気圧が通過するときに吹く、吹雪を伴った冷たい北西の強風をさしていわれたとされる。アメリカの気象局では、ブリザードの定義を、風速が毎秒14.3メートル以上、低温で、飛雪による視程が400メートル以下としている。激しいブリザードは、風速が毎秒20メートルを超し、気温はマイナス12℃以下、視程はほとんどゼロに近い場合をいう。北アメリカ以外でブリザードが有名なのは南極大陸であり、アデリー・ランドでは極冠の氷の斜面を下降風(カタバチック風(かぜ))として吹き降りてくる。そこでは8時間の平均風速が毎秒48メートルに達したことがあった。フランス南西部のトゥールーズToulouseではブリザードが北風として吹き、別名ブルビboulbieという。ロシアではブリザードをブランбуран/buran(ロシア語)またはプルガпурга/purga(ロシア語)という。

根本順吉青木 孝]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ブリザード」の意味・わかりやすい解説

ブリザード
blizzard

吹雪を伴った冷たい強風で局地風一種。もとはアメリ力北部やカナダで冬季にみられる局地風をさす用語であったが,今日では世界各地の同じような暴風雪に対して用いられる。シベリアや中央アジアではブランまたはブルガという。アメリカ合衆国気象局では風速毎時 32マイル(約 14m/s)以上,視界 150m以下の暴風雪をブリザードと定義している。また,南極昭和基地では視界や風速により,A,B,Cの 3階級に分類している。南極のブリザードは氷の斜面を吹きおろす斜面風,いわゆるカタバ風で,アデリーランドで特によく発達する。

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